恋の結末
休日だというのに日もまた上るかのぼらないかというような時間に起きなくちゃあならんのだ。
そんな僕のえんさの声などどこ吹く風といったようすで安芸は話している。
「デートの一つもしたことないんやろ」
「って、おい。まあそうだけど」
「やっぱりな。ウチは形から入る方やねん」
教授よろしく身振り手振りで熱弁してくる。
「ちゅうわけで行こっか」
そう安芸は言うと、僕を外に引っ張りだした。
「それで……どこに連れて行くつもりなんだ?」
「遊園地やで」
突然の誘い。
というか一度はデートをしてみたかったっていうのは嘘じゃない。
もちろん一抹の不安は感じていたが。