恋の結末
「ああ、僕も恋したい」
「なにを突然言い出すか変人」
「まだその設定、生きてるの」
「まだもなにもさっきの話だ」
「ふふっ」と小鳩さんが僕たちの話を聞いて笑っている。
「そうだ小鳩さん、僕と付き合ってくれませんか?」
まさに太陽が輝くような笑顔で、
「イヤです」
現実は残酷だ。
振られてしまった……。
なぜか現実は物語のようにはいかないらしい。
なぜだー。親密度が足りなかったのか? 何処かでフラグを立て忘れたのか?
……かくなる上は青の燕尾服に黄色のチョッキとズボン姿で自殺するしか無いのか。
「ばっかじゃないの」
とまあ凹んでいる人を嬉嬉としていじるのは伊吹。
「私はイヤですけど、その願い叶うかもしれませんよ」
「えっ……?」
「風のウワサに聞いたのですが、恋が叶うと噂の神社という所があるそうですよ〜」
神頼みも一つの手なのかなあ。
でも、
「嘘だったら本当に引きこもっちゃうよ」
なんたって日本は神様が引きこもる引きこもりの国なんだから。
「きっと大丈夫ですわ〜」
なんだかんだで気になった僕は授業が終わると話の場所に向かった。