マルコとスリム
そこにチェックアウトのお客様がフロントにやってきた。お客様の背中を見送り、ありがとうございましたと声をかけた。
そして外に視線を向けると自動ドアの向こう側にあの少年が立っていた。その横にはマルコがどっしりと座っている。そして少年はスリムにそっくりなあの小さな猫を抱きかかえている。
少年は僕を見ると、にっこりと笑顔を浮かべた。その後、抱きかかえられている小さな猫とマルコの口が動いたのが見えた。
僕は外に出て少年のもとに行き、丁寧にお辞儀をした。僕が頭を上げると少年は走り去っていった。その後をマルコも走ってついて行く。そんなマルコを見て、なんだあんな体でも走ると結構速いんだなあと、クスりと笑ってしまった。
終わり