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ACT ARME5 レッツ・トレジャーハント!

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「レマインズシティは通称『遺跡の街』と呼ばれる場所です。そんな名前が付いた理由は言わずもがな、その土地一体に地中に埋まった遺跡が数多く発見されたからです。」
「その見つかった遺跡の多さと大きさに、国も調査に乗り出したんだけど、あまりにも粗悪すぎるものばかりで、おまけに遺跡から判明したことは既に判明していたことばかりだったものだから、一つの町にして、観光名所にしてあるんだよ。」
「んで、今は専ら観光客か、まだ見ぬお宝&冒険を目指すトレジャーハンターなんかがいたりするわけ。おk?」
「へぇ〜。そうなんだ。それで、今回見つかったのがこの遺跡というわけね。」
「ええ、国が定めた規則により、発見された遺跡は発見したものが所有者になれるということですので、何か重要なものが発見されない限りは所有者の自由です。今回この遺跡を発見した人は、かなりの資産家であり野心家であることで有名なジョーザハルト氏ですね。」
「よし、じゃあ行こうか!!!」
勢いよく立ち上がるルイン。その目には欲望、もとい野心がみなぎっている。
その勢いに押し流されてしまったが故に、レックは一番気にしなければならないところを見逃してしまった。
このページの一番片隅に、『なお、この遺跡の探索の際にあなたに万が一のことが起ころうとも、当方は一切関与いたしません。』と書かれていたことを。
最も、それを指摘したところで、止まるルインではないだろうが・・・。




「到着!」
「意外と近かったわね。」
「まあ、電車だなんだと乗り継げばね。徒歩だと一日かかるけど。」
「で?どこなんだ?その遺跡は。」
と、風情もへったくりもなく、もれなく付いてきたグロウが目的地を探す。
「あ、あれですね。」
ツェリライが指差した先に、仰々しく立て並べられた旗が見える。同時に、「受付はこちら」という立札も。
「こんにちは。ネットで情報を見て申し込みをしに来たんですが。」
テントに入ってそうそうルインが声をかけると、奥から人が出てきた。
なんとそれは、ジョーザハルト氏その人だった。
顔をはっきりと知っているツェリライがまず驚き、説明を聞いた残りの面々が続いて驚いた。
「なぜまた主催者がこんなところに?」
「何、命をかけてまでわしの誘いに乗ってきてくれたんじゃ。面を合わせて礼を言うのが人情というものじゃろ?」
「は?今なんと?『命をかけて』?」
呆けている一同を前に、ジョーザハルト氏は確認する。
「・・・お主ら、ウェブページを見て来たといっておったが、全文きちんと読んだのか?」
「いや、僕らはお金(ロマン)に釣られてやってきたものだから、全文読んだかと言われると、少し自信が。」
それを聞いたジョーザハルト氏は、ため息をついて説明した。
なんでも、最初は特注の無人探査機に潜入させていたそうなのだが、途中全ての探査機の通信が途絶えた。
バグの発生による故障という線はほぼありえず、あるとするなら、この遺跡内に何かが潜んでおり、探査機を破壊したという可能性だ。そんな得体の知れない遺跡の中に入れる猛者は周囲におらず、やむなく賞金をかけて、中に入る人を募集したのだった。
「流石音に聞こえた野心家、身内がダメなら他人を使ってか。考えつくのもそうだけど、実行するというのがまたなんとも・・・。」
呆れた口調でそう話すルインに対して、申し訳なさそうながらも胸を張ってジョーザハルト氏は返した。
「流石のわしも気が引けたさ。じゃから、こうしてわしが直々に最終確認を取っておる。」
いいのだろうか?それで。
しかし、そこを突っ込んで聞き出すとキリがない。その代わりではないが、レックがもう一つ質問した。
「あの、そこまでしてあの遺跡にはいる理由とはなんなのでしょうか?ネットには、何か宝石が眠ってると書かれていましたが・・・。中に入れないのにそんなことがわかったのですか?」
「ああ、それか。心配はいらん。この遺跡はの、『繋ぐものを守る場』とされておる。そういったエピソードが数多くの伝書に残されておる。じゃから、その奥地に眠るは、繋ぐ力を持つ宝石、『フェローチュートラリィ』が眠っておると見て間違いない。わかってくれたかの?」
これでレックの疑問も氷解したが、代わりにツェリライが疑問を持った。
「あの、そういった歴史的に価値があるとされる遺跡は、国が所有するはずなのですが・・・?」
恐る恐る尋ねるツェリライに、ジョーザハルト氏ああ何だそんなことかとばかりに返答した。
「それも問題ない。    この遺跡はすべて買収した!」
ドンッ!っと胸を張り言い切りおった。
言い切られた面々は唖然とする他ない。
「マジですか・・・」
「そこまでするものなの?普通。」
「いや、それは・・・・」
「いくら使ったんだ?このじーさん。」
「それは聞かない方がいいと・・・。」
そんな反応には一瞥もくれず、壮大な野心家は最終確認をした。
「それでお主らは、あの遺跡に入る度胸はあるのか?はいかNOで答えい。」
「はい。」
素晴らしき即答。
「トレジャーハントに危険はつきものだよ。それを気にしていたら冒険できない。お金(ロマン)のために命をかけるなんてかっこいいじゃないか。」
「かっこよく言ってはいるけど、要は賞金目当てなんだよね・・・」
「そうとも言う!」
ボソッとレックに突っ込まれても、一切自重しないルインである。
「よかろう、では案内しよう。ついてくるのじゃ。」




「ここが魔の遺跡「フレポーター」の入口じゃ。では健闘を祈っておる。」
五人は、揃って中に足を踏み入れた。


が、すぐに足を止める。中に入った直後、一人の男が通路に立ちふさがっていたからだ。
「えーっと、そこの人。そこにいると先に進めないんだけど・・・。」
「進めないようにしてんだよ。」
どうやらわざと妨害しているようである。
「この遺跡は、今偉大なディルカーン先生が探索を行っている。お前らみたいな鼻つまみものが入っていい時間じゃないんだよ。とっとと帰りな。」
「よぉし、今の発言は完全に喧嘩を売ってきたと見て間違いないね。ぼころうか。」
言うや早いが、ルインは刀に手をかけ歩み寄った。
「待ってください。」
それを止めたのは、ツェリライだった。
「どした?なんだかんだ言って僕たちの戦いをガッツリ観察しているツェル?」
若干刺のある言葉。水を差されたのが嫌だったようだ。
「ええ、今回はその観察の成果を実践で試してみたいと思いまして。ご立腹のところ申し訳ありませんが、変わってくれませんか?」
ということはつまり、ツェリライも何かしらの武力を持っているということになる。
意外な発言に、自分のむかっ腹よりも、ツェリライがどんな戦いを繰り広げるのかという興味の方が勝ったルインは、素直にツェリライに譲った。
「ま、そういうことなら。てか、いつの間にそんなもの?」
「前々から考えてはいたんですが、決定打は先日の一件ですね。アコさんに対して言った言葉を、自分にも当てはめてみただけのことです。」
そしてルインと場所交代した。
「へっ、お前に身の程知らずって言葉を教えてやるよ。お前みたいなごぼうみたいなヒョロヒョロが、こんな危険な場所に来ること自体お門違いってもんだろうが。」