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ACT ARME5 レッツ・トレジャーハント!

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「その事務所、ここと契約を結ばないか?」
ものすごく唐突に超意外な話を切り出してきた係長。切り出された方は、ポカンとするしかない。
「は?なんですと?」
「まあ、つまりはだ。お前の事務所とここが協定結んで、委託関係にならないかということだ。」
「そんなことやっていいの?」
至極真っ当な疑問に、
「別にやってはいかんという法律はない。お前は知らないだろうが、ほかの町でも意外とやってるぞ?」
と、意外な返答が帰ってきた。
「へぇ〜〜〜、知らんかったわあ。」
「まあ、基本委託については公にされないからな。」
「まあ、公にしたところでリスクしかなさそうだしね。でも、僕の事務所でいいの?」
その質問に、係長は溜息をついた。
「お前のところでいいというよりは、お前のところを選ぶのが一番双方にとって都合がいいから選ばれたんだよ。」
「はて?それはどう言う意味?」
ルインは頭をひねる。
「よく考えてみろ。お前たちが何か騒動を起こすたびに、発生するアレを。」
そう言われたら、思い当たるものが一つある。
「始末書ですか・・・。」
「お前らの方は始末書じゃないがな。まあそういうことだ。あれな、お前たちだけではなく、こっちにまで被害が及ぶんだよ。」
「そうだったんですか・・・。やっぱり、僕らが巻き込まれた事件の管轄はやっぱり係長のとこなの?」
係長は、巻き込まれたという表現に、とてつもない違和感を覚えながらも頷く。
「ということは、やっぱり最終的な責任はあなた様に降りかかってしまっていると。」
もう一度頷く。
「うん、ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ありません。やっぱり僕は、係長の大事な仲間にとっての死神だったんだね。」
と、涙を浮かべつつ係長の頭に目をやり、静かに黙祷を捧げた。
「よぉし、今からでも遅くはない。10年ぐらいぶち込まれてこい。手配はこちらでやっとく。」
言い方がギャグのそれではない。
「ああごめんなさい。もう言いません。もう言いませんからそんなことしないで。」
そして、なんとか阻止に成功したルインは、条件付きでそれをのむことに決めた。


「で?条件ってなんだ?」
「うん、なんかすごく偉そうだけど。まず一つ目は、仕事を依頼して僕がうけたら、できる限り一任してほしいということ。具体的に言ったら、時と場合に応じて、僕の仲間に協力要請することがあると思うけど、容認して欲しいということ。」
「それは問題ない。契約内容の中にもそれに類する項目が含まれている。」
その返答に、満足そうに頷く。
「うん、じゃあもう一つ。」
「まだあるのか。」
「悪いね。でも個人的にはこっちのほうが重要かな。」
「何だ?」
「なんか証明書作って。」
「は?」
「いやさ、いいじゃん。何かあった時にこういうものですっつって見せつけるやつ。あれ欲しいなー。」
重要だと言われ、若干真剣に聞こうと思った自分を情けなく思いながら、係長は呆れた。
「欲しいなー、ってお前な。そんなもんホイホイ作って渡せるわけないだろ。」
「え〜〜〜?ダメ?」
「ガキじゃないんだから駄々こねるな。無理なものは無理だ。」
「ちぇ〜。」
このセリフを言った時に出るお決まりの唇の形εをしながら、ふてくされる。
「まあ、しょうがないね。わかった、この話は喜んで受けさせていただきます。」
「わかった。じゃあこれを渡す。」
と、手元から取り出した書類の束を渡す。
「・・・・・・・・・・。」
ルインは無言の鎮圧を醸し出す。
「不平のオーラを全開にするな。これが最後だと思えば軽いものだろう?」
「へ〜い。」
「ちゃんと自分の手で書けよ。でないと無効になるからな。」
「ふぇ〜〜い。」
そう言って、書類片手に部屋を出ようとしたルインだったが、ドアノブを握ったところで立ち止まる。
「あ、そうそう。ひとつ聞き忘れてた。」
「なんだ?」
「この契約って、あくまで委託関係を結ぶものであって、僕が治安部隊に所属するわけじゃないんだよね?」
「まあそうだな。それがどうした?」
「いや、だったらいいんだ。いやさ、これ結んだからといって、そっちのすべての言いなりになるつもりはなかったから、一応ね。係長のことだから、言わずともわかると思うけど・・・。」
ルインはここで、一呼吸置いた。
「もし、治安部隊のため『だけ』の依頼をしてきた場合、いくら金積もうとも断らせてもらうよ。それに・・・」
そこから先の言葉は係長が引き継いだ。
「そっちで勝手にあら探しして牙を剥くぞ、か。そんなことは言わずもがなわかっているさ。」
「流石係長。僕のことをよくわかってるね。」
「気持ち悪い言い方するな。ほら、早く行け。」
「はいはい。では、失礼いたしました。」






「ということがあったわけだよ。」
と、本当に長い話が終わった。
「ふ〜ん。じゃあ今度は治安部隊からもなんか依頼が来るんだ?」
「そういうことになるね。その前に・・・。これをやっつけなきゃいけないんだけどね。」
ルインは、恨めしそうに書類の束を眺める。
「頑張ってね〜。」
「応援してますよ〜。」
「心のこもっていない応援をありがとう。薄情だよね全く。」
「まあ頑張って。これで依頼が増えたら、生活も少し楽になるじゃないか。」
「うん、そだね。レックだけだよ。優しい励ましをくれるのは。」



そして、涙ながらに書類をしたため、受理されてから一ヶ月後――
「えーっと、まさかの向こうからウンともスンとも帰ってこないんですがこれは・・・。」
「一体どういうことなんだろうね・・・。」
「シンプルに考えて、依頼するような事案が一つもないということでしょう。」
「平和な町だもんね〜。ここ。」
当事者と部外者ではっきりとリアクションの分かれる結果となった。
「あ〜ぁ。最近また生活費がピンチに・・・。どっかにいい話転がっていないかなぁ。」
なんだか人生に堕落してしまった人がこぼすような呟きをするルインであった。
そんなルインをみたツェリライが、一つ面白い情報を見せた。
「いい話かどうかはわかりませんが、こんな広告がいまネット界隈に流れていますよ。」
そして自分のノートパソコンから、サイトのページを見せた。
『君もトレジャーハンターにならないか!?
    先月に発見された謎の遺跡「フレポーター」の奥底に眠る伝説の宝石[フェローチュートラリィ]を見つけ出そう!!


     発見したものには賞金5,000,000セラ!!!』


「これは・・・・」
「どうしますか?」
「行かなければ・・・・・!!!!」
既に乗り気になっている。だがその前にストッパーが働く。
「ちょっと待った。胡散臭すぎないかな?これ。本当にこんな遺跡があるの?それにあるとしても、一般人が勝手に立ち入ってもいいの?」
「問題ありませんよ。この遺跡が実在することは僕が保証しますし、この遺跡の所在地は、あのレマインズシティですから。」
それを聞いたレックは納得した。
が、今度は別のストッパーが作動した。
「ちょっと待ちなさい。レマインズシティってどこよ?」
先生の回答。