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ACT ARME5 レッツ・トレジャーハント!

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「全くしぶといなあんたも。まあ、のうのう生きている俺が言えた口じゃなけどよ。悪いが一発で決めさせてもらう!」
カウルは蠍に全速力で突撃する。
「突き抜けろ! 電閃(でんせん)!!」
カウルの電撃が貫いた。そしてようやく蠍は、今度こそ完全に動きを止めた。
「やれやれ、やっと終わったか。俺もあとを・・・!」
と、ここで戦闘に気を取られて気づいていなかった揺れに気づいた。
「なんだ?新手か?崩落か?どちらにしろ、長居は無用か。」
そしてカウルが隠し通路に入ろうとしたとき、一際大きな揺れが起き、頭上から大きな岩が落下してきた。
「うォ!?」
咄嗟に飛び退くカウル。回避はできたが、今の瓦礫は、狙いすましたかのように隠し通路の入口を塞いだ。
「ええい、畜生め。余計な体力を。電討(でんとう)!」
カウルは瓦礫を粉砕し、中に入る。
だが、思いのほか通路が脆かったのか、通路全体が埋まっている状態だった。
「おいおい、マジかよ。こうなったら来た道をもどるか!」
そうと決まれば一分一秒が惜しい。全速力で駆け出した。


ルインたち4人とグロウ、そしてグロウに背負われたツェリライが隠し通路を抜け、入り口付近で合流した。
「みんな無事ですかな!?ってツェル!?どしたの!!?」
グロウに背負われたツェリライを見て四人は驚く。
「ああ、コイツなら大丈夫だ。それよりもだ。」
「カウルは。カウルはどうしたのですか?」
ハルカが心配そうな目でグロウを見つめる。
「カウルって誰?」
「この娘の連れだよ。そいつは・・・」
グロウが事情を話す。
「なるほど、でも少し遅いね。手こずっているのか、それとも別の理由か。どっちにしろ、そろそろヤバイかも。」
ルインも心配しだした。
カウルはなかなか姿を現さない。自分たちの乗っている足場の板が、端から焼きこげていくような感覚に囚われる。
「遅い・・・!」
と、その時だった。隠し通路の出口が、派手な音と共に崩れ落ちたのだ。
「そんな!」
「オイオイ。洒落にならねぇだろうが!」
6人の焦りがピークに達した。
「あ、あそこ!」
アコが最初に通った橋の向こうを指差す。その先には、こちらに向かってくる者が見えた。
「カウル!良かった・・・。」
カウルの姿を認めたことにより、安堵するハルカだったが、アコは依然として慌てていた。
「よかったって!橋はもうほとんど崩れちゃってるのよ!?」
だが、それでもハルカは落ち着いていた。(あとグロウも)
「大丈夫ですよ。なぜなら・・・」
カウルが跳躍する。
「障害物競走は、カウルの十八番なんですから。」
その言葉を現在進行形で証明するように、崩れ去り、落下していく岩の間を飛び抜け、足がかりにしてさらに跳躍を繰り返し、瞬く間にこちら側に着地した。
「よっし、9.99!今年のオリンピックは金メダルをもらった!」
「何を言っているの。心配したんだよ?カウル。」
ランナーズハイ気味だったカウルだが、ハルカの忠告で一発で大人しくなった。
「ああ、ゴメンな。隠し通路が埋まってしまって、全速力で来た道戻ってきたんだよ。」
「よく戻って来れたね?」
「ほとんど勘と運に頼ったけどな。ところどころ壁も崩れていたからなんとかなったよ。



そんなわけだからハルカ、説教は勘弁してくれ。」
「うん。   駄目。」
「あ・・・。」
にっこり笑うハルカと冷や汗を流すカウル。
「仲睦まじくてなによりです。それよりも、ツェルの手当と報酬貰いに行かないと。」
「そ、そうだな。早く行こう!」
ハルカの笑顔から逃れるようにカウルが歩き出した。


「おお!よくぞ、よくぞ伝説の秘宝フェローチュートラリーを手に入れ戻ってきた!」
「いや〜、本当によくぞやりましたよ。という訳で、お約束のものはどちらかなーっと。」
ああ、既にルインの目が¥になっている。
「そう急くでない。きちんと用意しておるわ。」
そう言うと、ジョーザハルトは気障ったらしく指をパチンと鳴らす。すると同時に従者が札束を乗せた台車を持ってきた。
「うわーお。やっぱリアルで見るとすごい迫力あるねぇ〜。頑張った甲斐があったというものだよ、うん。」
放っておくと今にもむしゃぶりつきそうなルインである。
と、奥から救護小屋に運ばれていた。ツェリライが姿を見せた。
「全く、その気持ちはわからなくもありませんが、もう少しその溢れ出る金欲を隠す努力ぐらいするべきではないですかね?」
「あれ?ツェル。もう大丈夫なの?」
「ええ。衝撃で気絶してしましましたが、怪我自体はそう深いものではなかったようです。それよりもジョーザハルト氏。今一度、フェローチュートラリーを見せていただけないでしょうか?」
唐突にそう言われ、怪訝そうな顔をするジョーザハルトだったが、ツェリライの真摯な眼差しを見て承諾した。


「    なるほど。この秘宝は対になっていたんですね。」
自分の目の前に置かれた二つの石を前に、ツェリライが熟考する。
「ふむ。まさに『繋ぐ力を持つもの』というわけか。片方はくぼみが、片方が突起がある。」
「となると気になるのは、この二つを合わせた場合、一体何が起こるのかということですが・・・。」
「試してみるか。」
と、ジョーザハルトは無造作に二つの秘宝を手に持ち、一切のためらいなく互いを合わせた。
「ヴえ゛っ!!?」
その迷いのない動作に絶句したツェリライをよそに、一つになった秘宝は、何も起こらなかった。
「ふむ、何も起こらんか・・・。合わせるだけでなく、何か他の要因が必要なのか・・・?」
「あ、あの?ジョーザハルト氏?あなた、ごく自然にそれを合わせましたが、その瞬間に膨大なエネルギーが放出され、ここら辺一体吹き飛ばされるかも知らないなどといったリスクは顧みなかったんですか?謎の古代秘宝である以上、何が起こるかわからないんですよ?」
口をパクパクさせつつツェリライが突っ込むが、ジョーザハルトはどぅわっハッハッハ、と豪快に笑い飛ばした。
「いちいちその程度の危険性など気にしてはおられんよ。未来は誰にも予測できん、人生日々ぶっつけ本番のギャンブルじゃよ。」
「なんという脳筋思考・・・。」
あまりに豪胆なその言葉に、ツェリライは呆れとか、驚きというか、そんな感情がひっくり返って逆に尊敬してしまったりとか、感情の処理に忙しくなる。
「ねぇ、ツェリライ。そっちの話終わった?」
「え、ええ。まあ一通りは。そちらはどうかされたんですか?」
ツェリライは落ち着きを取り戻し、メガネを持ち上げる。
「うん、まあね。この度、ハルカちゃんとカウル御一行がAROの非常勤動員になりましたー!パンパカパーン♪おめでとーう!!」
「なん・・・ですと・・・?」
再び呆然とするツェリライの肩をレックが申し訳なさそうに叩く。
「ごめん、ルインには勝てなかったよ・・・。」
「いえ、別にレックさんが責任を感じることはありませんよ。しかし、お二人は旅の途中とおっしゃっていましたが、以前のレックさんと同じような風来坊だったんですか?」
「うーん、詳しいことはわからなかったんだけど、二人共旅の目的地とかはなかったみたいなんだよね。それで二人がお礼言って別れようとしたときにルインが・・・」