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僕の奥さんの話なんですけどね

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公園のベンチで
「ロールパン5個入り」100円と
茶色いパックに入った
「コーヒー牛乳」100円を
イトーヨーカドーで買って
ランチを済ませる。

公園の桜の花びらは満開だというのに
200円で昼食を済ませる僕は
花粉症の万年平社員の営業マンだ。

お小遣いが少ないわけではない。
もらわないだけだ。
奥さんにくれといえば
すんなり出してくれる。

僕に趣味は無い分
金もかからないが
僕の奥さんは趣味がありすぎて
そばで見ているだけで
楽しい。

僕の奥さんは
僕の出世にも興味がないが
僕の給料明細を開くこともない。
ただ、あなたが一生懸命働いてくれた証だからと
結婚した時からの明細を年ごとに
ホッチキスでまとめて全部取ってある。
がさつなくせに
変なところにまめだ。

僕の奥さんは毎晩僕のことを待っていて
一緒に夕食を食べる。
奥さんの料理はおしくて
僕はブクブク太った。

僕は僕の奥さんが大好きで
大切にしているし
何も悪いことはしていないつもりだが
奥さんが
「お風呂入ってくるわね」と着替えを抱えて
風呂場に行く時、恐怖を感じる。
急がなきゃ。
僕は奥さんが風呂から出てくる前に
慌てて歯を磨き自分の部屋へ入り
寝入ってしまいたい。

「じゃ、おやすみ」洗面所で歯を磨き終わり
風呂の中の奥さんへ声をかけると
低い声で…
ちょっと不機嫌な声で…
いや、かなり怒った感じで
「おやすみ」と、返事が帰ってくる。

僕はいつも拒否していた。
奥さんは僕との性生活に不満があったのだろうか?

最近、僕の奥さんの様子がなんだかおかしい。
ボーッとしていることが多くなったし
美容院にもマメに通い
「あー年取りたくない」と真剣に悩んでいるのだ。

僕は知っている
昔の奥さんのアルバムの
親友と並んで撮った写真の裏に
こっそりと、昔の彼氏と撮った写真を隠していることを

奥さんの様子が変だな?と気がついてから
1ヶ月が経ち
奥さんが急に痩せた。
そして僕に言った。
「ねえ、これから毎晩、寝る前にギュっと抱きしめて」と。
どういうことだ…?

僕らは寝室は別々で
寝るときは僕は北側の少し床の冷たい部屋で
奥さんは南側の布団をけるくらい暖かい部屋で寝ているのだ。

嫌な予感がした。
なぜか嫌な予感がした。

「私が妊婦だった時、浮気したよねぇ」と突然言い出したりするのだ。

「最近変だよ」そう言うと、奥さんはなぜか
「食べ過ぎた」と言って
部屋の明りを消したまま寝転がって
またボーッとしていた。