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十六夜 ほたる
十六夜 ほたる
novelistID. 45711
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もうすぐクリスマスですね

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「ふふ、やっぱり街中を歩いてもつばめが一番可愛い!」
「あ、あーちゃんさっきからそればかり言ってるよ」
「だって本当の事なんだから仕方ないでしょ」
 クリスマスで賑わう街中はいつにも増して人が多い。その中のほとんどがカップルなのだが、それを気にもせずに茜は自分がコーディネートしたつばめのできに満足そうにしていた。確かに学校でのお洒落は限度があるため、メイクもリップクリームだけで済ませているつばめを飾り付けるのは楽しそうだ。
 淡い桃色のワンピースコートを来て手にはふわふわとした同色の生地の手袋を着け、髪はコテで巻いたのかクルンとカーブをかたどっている。メイクも少し大人っぽい雰囲気で仕上げられていた。茜の渾身のできだ。
 まだ約束の時間に余裕のある二人は部屋に居てもしかたがないということで外に出てきてみたが、何をしようか迷っていた。
「どうしようかー……
「そうだねぇ……。ん、あれって……」
「あーちゃん? どうかしたの?」
「あの店にいるのって妃さんじゃない?」
「え?」
 視線をさ迷わせた中、一軒の店に視線が向かうと茜は見慣れた顔とその隣で笑う女性を見つけた。いかにも女の子向けなファンシーさのある店で、奏多が自ら入るとは思えない。
 なら、まさか……。と茜の頭に嫌な予感が走ってしまう。
「いや、きっと気のせい、だわ。あっちに行きましょ、つばめ。ね?」
「へ? あ、うん」
 にこやかな笑みを張り付けたまま、茜は素早くつばめの体を反転させ、奏多を見つけたショップとか反対の方へ押しやる。出掛けることを楽しみにしているつばめに確信はないが奏多が女性といるかもしれないのを見せるのは悲しませるだけだと判断したからだろう。
(妃さんと、愛智さん……?)
 振り返る中、一瞬だけ見えた見慣れた姿をその目に収めながら。