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つだみつぐ
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novelistID. 35940
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LCACがやってくる

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 人口一万人のこの町には18人の町議会議員がいる。多すぎるので次の選挙から16人に減らす予定である。渕香代子を除いてすべて保守系無所属だが、町長派と反町長派に分かれ、町長派議員は自民党町議団を結成している。両派は数人の中間派をはさんで勢力が拮抗している。二〇〇一年四月の町長選挙をにらみ、反町長派としては町長のイメージダウンをねらいたい。
 しかし、最初LCAC問題について反町長派の姿勢は「町長の出方を見る」というものだった。私の部落出身の反町長派N議員は一貫してLCAC反対の論陣を張っていたので、私たちは「反対する会」の結成時に彼を誘ったが参加しなかったし、署名活動に協力してもらおうと署名簿を渡し、私と彼とでこの部落を分担して回ろう、と提案して回ってくれることになったのに、とうとう彼は自分の署名を含め一人の署名も提出しなかったし、請願の紹介議員にもなってくれなかった。また、反町長派の一部からは、「反対する会」は町長の指示で動いていて、実は「見返り」の増額が目的である、とのデマも流された。だから私たちは反町長派に何も期待していなかった。
 明らかに彼らは「説明会」での住民からの激しい反対意見や寄船郷の決定を見て、格好の町長攻撃の材料だと判断し態度を変更したのだ。住民の多くは知らなかったが、彼らはむろん、町長と町長派が実際にはLCAC受け入れを画策していたことを知っていた。