小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
つだみつぐ
つだみつぐ
novelistID. 35940
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

LCACがやってくる

INDEX|12ページ/25ページ|

次のページ前のページ
 

 帰ってから真っ先に宮野由美子さんに電話した。「勝ったよ。請願採択だよ。」「そう、よかったわね。」「あれ、なんか冷たくない?」「ああ、そうじゃないのよ、ほんとにおめでとう。私たちなんか、十数年やってきて、勝ったことなんか一度もないものね。たまには勝たなくっちゃね。」そうか。「ねえ、議会が基地反対の結論を出しても、町長が受け入れを決定して、その直後に責任をとって辞任する、っていうこともあり得るからね。」えっ、そんなこともあるのか。
 渕康裕君から電話がかかってきた。「ちょっとお祝いしようか。」「いいねえ。3日後の本会議に向けてもう一回チラシも入れたいし、議員への働きかけも話し合いたいし。じゃあ、ビールと食べ物用意するね。一人2000円ぐらいでしようか。」「それ、全部うちが持っていくから場所だけでいいよ。」「えっ、なんで?」「あっちこっちからカンパがきているんだ。びっくりするぐらい。」
 そういえば先日渕さんからもらった赤旗に一面と社会面の両方に西海町のことが大きく取り上げられていた。記事は「反対する会」のことだったけれど、連絡先は渕さんの名前しか載っていなかった。おい、それってあなたへのカンパじゃなくって会へのカンパじゃないのか、といおうとして、やめた。彼ら夫婦は日本共産党西海町支部として機関誌「西海民報」の発行、県本部と一緒に抗議行動、ビラ入れ、他の地区との交流と、畑仕事が全くできないほどの目が回るような活動をこなしているのだ。ぼーっとしていてたまにいやいや活動する私の比ではない。こっちにはどこからも一銭のカンパもなく、すべて手出しなのは少し悔しいが、まあいいとしよう。
 もちろん「お祝い」はすぐに議論の場に変わった。「逆転」はあり得るのか、ないのか。とにかく、まず特別委員会の結果をチラシで知らせて、後戻りできない雰囲気を作る、各自が議員へ個別に働きかける。チラシの文面も大事だ。