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eChat Vancouver

今回の短期留学中、Tadにとって最も大きなイベントがeChat Vancouverへの出演だ。
本題に入る前に、まずはeChat Vancouverについて説明しておこう。

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本番組は2005年10月19日から平日毎日カナダ・バンクーバーからポッドキャスト配信している英会話番組である。
日系2世Yuko Nagasawaがホストを務め、留学やワーキングホリデーでバンクーバーに滞在中の日本人ゲストを迎えて英会話から美味しいお店の紹介、恋愛話など様々なトークを炸裂させている。
番組を聞いてゲスト出演される人も後を絶たないほどの大人気番組に成長したが、残念ながら2008年10月をもって番組は終了している。
*****（以上、エア・カナダのウエブサイトより抜粋）

Tad自身この番組の大ファンで、iPodにダウンロードして毎日聞いていた。
英語の内容はもちろんのこと、ホストのYukoさんが時々間違える日本語を、
相棒のTagさんがさらっと言い直すそのやり取りがたまらなく面白いのだ。

留学先がカナダに決まったときから、Tadの頭にはこの番組への出演が浮遊していた。
「英語の勉強」か「ラジオ出演」かという二律背反に陥りつつ、
番組サイトの掲示板に「出演させてくださ〜い！」と書き込んでいたTadであった。
しかし返事はすぐには来なかった。

待てど暮らせど返事が来ない。
念のため、もう一度再確認メールを出してみる。
もう出発の日が来てしまうと半ばあきらめていたある日、
この番組のスポンサーである緑電子のスタッフからウエルカムメールが来た。
どうやら先方はすぐにＯＫのメールを送ったようだが返事がないので、
番組から日本のスタッフ経由でTadに確認のメールを送ってくれたのだった。
Tadが再確認のメールを送っていなかったらこの出演はボツだったに違いない。

よく粘ったな、Tad！

原因不明のメールトラブルで出演が危ぶまれたが、何とかそれもクリアし、
Tadの二週間という短い滞在期間にもかかわらず、
番組スタッフが普段行われない曜日に収録時間を設定してくれた。
収録先が学校から徒歩で行けたという点もTadにとって好都合だった。

バンクーバー滞在６日目の2008年7月4日の金曜日、
図らずもアメリカの独立記念日のその日、Tadのラジオ収録は行われた。

収録場所のラジオ局には迷わずに到着できた。
呼び鈴を鳴らすと、パーソナリティのTagさんが迎えてくれた。
「あれ、ギター持ってこなかったの？」