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タマ与太郎
タマ与太郎
novelistID. 38084
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Tadの「なんちゃって留学記」 2008.6.29~7.14

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「よーし、ここまでは順調。次は9番のバスに乗るゾ!」

別路線のバスを待っていると程なくバスが到着した。
でもそのバスの番号はなんと6番。

「あれ、9番じゃないの?? いいのかなあこのバスで?」
Tadの不安をよそに、皆ゾロゾロとバスに乗り込んで行く。
Tadは思い切ってドライバーに聞いてみる。

「インターナショナルハウスに行きたいのですが…」
「住所はどこ?」
「げっ!住所書いた紙忘れた。」
と日本語で叫んでも無駄。
でも、確か地図はあったはず。
Tadは思わず地図を広げ、学校の位置を指差す。
「ここ、ここ! here here!」
ドライバーは「OK 乗れよ」とゼスチャーで表現する。
Tadの英語力、スタート時点ですでに撃沈!

この日、帰宅したTadは、Host momに報告する。
「6番のバスでも良かったんですね。」
「あら、6番でも良いのよ。」
…先に言ってよ。

バスは降り方にもルールがある。
自分が降りたいバス停がアナウンスされたら、
窓の上部に横に吊り下げられているロープを引っ張るのだ。
日本のように押ボタンがあるわけではない。
これだけはやけにアナログな作業だ。

また、降りるときのドアは基本的に自分で開けることになっている。
ドアにバーが付いているので、そこを押すと折りたたみ式のドアが開く仕組みになっている。
Tadが使うバス停は、比較的乗降客が多い大きなバス停だ。
ロープの引っ張り方も、降りるときのドアの開け方も、
前の人がやっているのを見て充分理解したつもりのTad。
そろそろ自分でやりたくなってきた。
チャンスがあるとすれば、学校帰りのホームステイ先最寄のバス停。
つまり、朝最初に乗るバス停だ。

数日後、そのチャンスはやってきた。
Tadが降りるバス停がアナウンスされるが、誰もロープを引っ張らない。
「よーし、チャンス!」
Tadは思い切りロープを引っ張る。
そんなに力いっぱい引っ張らなくても大丈夫だよ、Tad。