夏空ひまわり _君といる日々_
「兄貴、みーこちゃんに俺等の関係を教えたの?」
そういいながらニヤつく和也。
一樹は背中に冷たい汗が流れるのを感じた。
何も言わない和輝を見て和也はため息をつき
「ふーん、そっか……まぁいいや」
「……和也、お前何考えて……」
和輝が和也に質問しかけたとき
「おーい、二人とも早くー!」
と美衣が列から呼ぶ声が聞こえた。
和也は笑顔で和輝は嫌な気持ちで観覧車の列に並んだ。
係員が
「えー……っと。三名様ですか?」
と聞くと即座に和也が
「いいえ、二名です」
と答え、キョトンとしている美衣を無理にゴンドラに乗せ、和輝を一人だけ残して自分も乗り込みドアを閉めてしまった。
「……!」
ドアが厚く和輝が何を言っているのかは分からなかった。
美衣はビックリして和也をみた。
「……どうして三人で乗らないの?」
「……」
和也は質問には答えなかった。
少し間を置き、
「ねぇ、みーこは俺等の関係……知ってる?」
「え……? 兄弟……じゃないの?」
美衣はしどろもどろに答えた。
和也はやさしく答えた。
「うん、そうだね……でも普通の兄弟じゃないんだ」
「え……?」
いきなりの発言に美衣はたじろぐ。
和也は美衣と顔との差を数cmにまで縮めた。
”なにしてるんだ!? あいつら……”
ちょうどその時、和輝は一つ後ろのゴンドラからイラついた様子で二人を見ていた
作品名:夏空ひまわり _君といる日々_ 作家名:ミケネコ