夏空ひまわり _君といる日々_
「なぁ、なんでいつも和也としかしゃべんねぇの?」
「え? えーと、それは……」
和輝は体育館の倉庫で美衣に聞いてきた。
美衣は返事に困っている。
和輝はイライラが増したのか、実衣との距離を僅か数cmにまで縮めた。
「あの……怒ってるならごめん……ちゃんと和輝とも……」
「……そういう意味じゃねぇのに……」
「?」
和輝は大きくため息をついた。
美衣は首をかしげて顔を覗きこんでくる。
「……和輝」
まゆげを八の字にして自分の名前を呼ぶ美衣を見て、和輝は顔を背けてしまった。
美衣が近づいてきて、ギュウと抱きついてきた。
そして涙目で和輝を見ながら、
「ごめん……ごめんね、和輝」
「……美衣」
和輝は美衣の額を撫でながら額にキスをした。
そして、二人は倉庫を出て仲良く帰って行った。
作品名:夏空ひまわり _君といる日々_ 作家名:ミケネコ