夏空ひまわり _君といる日々_
声のしたほうを二人が振り返ると、部屋の扉に和輝にそっくりな少年が立っていた。
「か……和也」
和也と呼ばれた少年は、真っ直ぐベッドに向かって上がり美衣に近づいた。
「へぇ、君がみーこちゃんかぁ。話は聞いてたけど……可愛いね」
「え? ……そんなこと」
和也は美衣のボタンとネクタイを整えながら言った。
「俺の兄貴ねぇ、みーこのこと小さい時から大好きだからついつい弄りたくなるんだよ」
「えっ?」
いきなりの発言に美衣はたじろぐ。
「……なーんてね」
和輝にそっくりの笑顔でそう言い、和也はベッドから降りた。
和也と和輝はすれ違いざまに同じことを呟いた。
「「絶対、俺のものにする」」
次の日から、学校に行くときも移動教室のときも美衣の傍には和輝ではなく和也がいた。
作品名:夏空ひまわり _君といる日々_ 作家名:ミケネコ