夏空ひまわり _君といる日々_
「んにょー、むにゃむにゃ……」
ベッドで寝言を言っている美衣の傍に和輝が座って、
「おーい、朝だぞ。起きろー」
「んにゃんにゃー……」
美衣を起こそうとする和輝にそう言いながらぎゅう、と美衣は抱きついてきた。
その抱きついてきたときの服装は制服。
一度起きてから寝たのだろう。
「おい、起きろ! おい!」
「んにゃー」
肩をゆすっても起きない美衣に苦笑いしながら和輝は、
「起きないと十回ぐらいキスするよ?」
と言った。
「んにょー……! だっ、だめだ!」
今まで起きなかった美衣は、その一言で飛び起きた。
そしてぷるぷると首を横にふると欠伸をした。
欠伸をして口を閉じた瞬間、
「!?」
ベッドに押し倒され、そのあげくキスまでされた。
「にゃーに、するんだ!」
「いや……また寝そうだったから……」
と言いつつニヤける和輝に美衣は、
「どうして……好きでもないのに……」
と言って顔を背けてしまった。
それを聞いた和輝は表情を変えた。
しかし美衣はそれには気付かずネクタイをしはじめた。
____その時
「ひゃっ……!」
突然美衣の耳を触り始めた和輝。
美衣は離そうとして首を振ったりするが、逆に自分が疲れて「にゃー」と言って倒れてしまった。
和輝は反対側の耳に口を近づけ、
「なぁ……それ、本気で言ってんの?」
と言った。美衣は驚いて和輝を見るが、和輝は無表情だった。
美衣は返事をしようと口を開くが、耳を触られるのが嫌なのか上手くしゃべれなかった。
「な……に、言って……!」
「一緒にいて気付かねぇの? 本当にお前……鈍感だな」
「んー!」
「お前、少しは人の気持ちに気付けよ……」
「んっ?」
美衣は口を押さえられているため、しゃべる事ができなかった。
和輝は絶対に弄ってやると思い、少し美衣の体を下から眺めた。
まず、見惚れてしまいそうな白く細い足。
それから、くびれのある体。ほどよいサイズの胸。
その時、和輝の目がとまった。
目をつけたのはとれかかったボタンとほどけたネクタイ。
和輝は口から手を離すと、ボタンをはずして白い首筋に口を近づけた。
「ん? ……何する気だ!? 和輝!」
「あ? わかんねぇの? 噛むんだよ……お前の首」
「やめろ!」
和輝が美衣の首筋を噛もうとした
その時____
「あっれー? 兄貴とみーこ?」
「「!?」」
笑いをこらえたような、少年の声がした。
作品名:夏空ひまわり _君といる日々_ 作家名:ミケネコ