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七ケ島 鏡一
七ケ島 鏡一
novelistID. 44756
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グランボルカ戦記 3 蒼雷

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「あざといわ・・・。」
「あざといですね・・・。」
「あざとくないわよ。」
 いつの間にか戻ってきたアリスが、壁から覗きこむようにして様子を伺っていた二人の後ろから声をかけた。
「あんた、ダニエルはどうしたのよ。」
「ダニエルならそこで気絶してるわよ。」
 そう言ってアリスが視線を向けた先には幸せそうな顔で気絶して地べたに横たわっているダニエルがいた。
「酷いことするわね。」
「だって路地に入った途端その気を出してくるんだもの。そういうことしないならもう少し夢を見させてあげても良かったのですけど。」
 そう言ってアリスは悪びれる様子もなく肩をすくめた。
「まあ、警らの途中で女に釣られてサボるような奴にはいい薬だわ。さて、じゃあオリガ。今度は貴女の番よ。」
「ほ、本当に行くんですか?」
「行くのよ。ほら。」
「わ、わかりました。」
 オリガはそう言って通りに出ると、小走りにジミーを追いかけた。
「あ、あの。」
「ん?」
 後ろから声を掛けられて振り返りかけたジミーに、オリガのタックルが炸裂した。
「うぐ・・・ぅ」
 オリガの肩がぶつかったみぞおちの辺りを押さえて、ジミーが膝をつきそのまま地面に突っ伏した。
 もちろんオリガには魔法を使うつもりなどはなかったが、ぶつかった拍子に思わず足を踏ん張ってしまったのだ。
「あ。」
「やっちゃった・・・。」
 その様子を見ていたアリスとジゼルは揃ってため息をついて顔を見合わせると、通りでオロオロしているオリガを連れて一目散に逃げ出した。
「え?え?」
「逃げるわよ。警らの兵士をこんな天下の往来で襲っちゃったんだからヘタしたら捕まって面倒なことになるわ。」
「私はそんなつもりで・・・」
「オリガがどう思ってやったかは問題じゃないのよ。周りからどう見えるかが問題なの。」