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レゾンデートル2

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深夜11時30分。
 風呂から上がったユーリは、眼鏡をかけておらず、漆黒の髪の毛先からはまだ水が滴り落ち、首に掛かっている白いタオルを濡らしていた。上下の両脇に白いラインが入った黒いジャージを着、フローリングの床や白い壁に鳩時計と白い古城が描かれた絵画がかざられてある3LDKのリビングにいた。脚が長い黒の長ソファーの前に、焦げ茶色のウォールローテーブルが置いてある。テーブルには、明日の依頼が書かれたメモにノートパソコンには本日のニュース覧が映っていた。
 今日の依頼は2件が片付き、もう1件は明日まで持ち越すことになっため、明日の依頼が増えてしまった。だが、明日の依頼は1件であり、今日みたいに多い日ではなくてよかったとユーリは思った。
 冷蔵庫から出したアイスコーヒーをテーブルの上に置き、ソファーに座って肩に掛けているタオルで髪を拭いた。
 「自然乾燥は、髪を洗った際にふやけて広がったキューティクルが広がったまま乾き、髪がゴワゴワになるぞ。」
 驚き、顔を上げて隣にいたのは、電脳世界のバウンティーハンターにあるBar『ラグニクス』のマスターラグナスがアイスコーヒーを飲みながら、パソコンを見ていた。
 「なんでおまえがいるんだよ!」
 「俺は『バウンティーハンター』の管理人。現実世界の人間ではないが、『レゾンデートル』のパソコンからこっちに出てこれる。」
 キランと歯が光る効果音が出るほど良い顔をされ、おまけにピースサインをしている姿にユーリは額に青筋を立てた。
 「そうじゃなくてだな!昨日俺がどれだけ大変な思いをしたかわかっているのか!」
 「・・・眼鏡をしてないおまえって美形だな。かけてもそうだが。」
 「話をそらすな!ってかそれ俺の!」
 アイスコーヒーと言おうとした時には、飲み終わっていた。アイスコーヒーが飲み終わるとパソコンのホームに戻り、『バウンティーハンター』と検索していた。すると画面が暗くなり、パスワード入力というサイトが開かれた。
 「今度からこいつを検索し、パスワードはおまえのコードネームと生年月日をいれろ。」
 「だから話をそらすな!ってか、そいつのおかげで俺は酷い目に会ったんだよ!」
 「知っている。見てたからな。」
 ラグナスはぺろっと舌を出してお茶目に笑った。
 ラグナスは昨日、正確に言えば今日入った新人、ルナことユーリをBar『ラグニクス』にある天井吊り下げタイプのテレビで見ていたのだった。鬼ごっこが終わって、他の『レゾンデートル』の依頼に巻き込まれたことも全て見ていた。ラグナスの出した依頼を受けた人は、テレビに映し出されると言うシステムになっている。そしてそれは、『ラグニクス』にあるボタンが押されるまで映し出される。
 「見てたならなんで助けてくれなかったんだよ!初めて来た所で混乱してたんだよ!」
 「俺は口は出しても手は出さねえ。」
 ラグナスは懐からユーリの参加希望用紙を出し、コードネームと生年月日を打ち始めた。ユーリがなにか言っていたが、ナグナスはお構いなしにエンターボタンを押した。
二人は光に包まれ、そして消えた。パソコンには「Load game」と金色の文字が出ていた。
作品名:レゾンデートル2 作家名:ユリア