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レゾンデートル

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 女の扱いは昔から苦手だった。例え話すことであっても順序が逆になってしまい、話の内容が理解できないことがほとんどである。特に、しぶしぶと着いていっている女は今まであった中で、一番話しにくい女だと思った。澄ました顔をしている人間は、男であれ女であれとっつきにくい人間である。
 「ハヤテ。それがここでの名前。」
 するとハヤテは『ラグニクス』と書いてあるBarで足を止め、中へはいって行った。酒を飲んでいる客は誰もいない。いるのは、ワイングラスを磨いているバーテンダーの服を着た長い青い髪と瞳が印象的な20歳後半の男性がただ一人。
 「マスター、新入りよ。」
 彼の青い瞳は、店の静まり返った雰囲気のせいか、彼の眼力が強く感じられた。
 「ようこそ。俺は、『ラグニクス』のマスター兼この世界の管理人であるラグナス・カルロ。この世界に来て混乱していると思うが、まあ、ここのカウンターに座れ。話が長くなると思うからな。」
 この世界や電脳世界などと、自分のいた世界とは違う事にようやく気がついたユーリは、早く終わって解放されたいが一番の願いだった。
 「まず、この世界のことを話しておく。混乱した顔してるもんな。」
 と笑うラグナスに対し、ユーリはむっとした。
 「この世界『ロレンツ』は、『バウンティハンター』と言うある人物だけがコンピュータ内に入り込める賞金ゲーム。参加者のことを『レゾンデートル』と呼ぶ。ある人物と言うのは、頭脳明晰やIQが高い人物。入り込めるのは、そいつらの持つコンピュータのよく開くサイトの中。このゲームは、コードネームを決め、俺が出すミッションを達成すれば報酬をもらえるが、達成できなければミッションと同じ報酬金額を払ってもらうという金稼ぎゲームだ。ちなみにその金は、現実世界でも使える。なに心配するな。誰だかわからないように、目だけが隠れる仮面を付けて行動をしてもいいし、怪盗はあるが、『レゾンデートル』との殺人はない。この世界でコンピュータに殺されたとしても現実世界では死にはしない。まあ、負けなければいい話だ。おもしろいだろ。だが、あまりこの世界に来ない場合は、お前の暇を見て俺がかってに呼ぶからな。」
 おもしろいというより、ありえなさすぎて逆に笑える。『レゾンデートル』との殺人はないと言ったが、さっきの様な殺人はありなのかと冷や汗が吹き出した。だが、このラグナスが嘘を言っているとは思えなかった。金に困っているわけではないが、これはこれでおもしろいと思いユーリの出す回答は、
作品名:レゾンデートル 作家名:ユリア