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ねとげ~たいむ

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 開かれたままの両開きの鉄の扉を潜ると、そこは大きな石畳と柱だけの大広間、しかし中央には石の台座と真っ赤に染まった巨大な両刃の大剣が床に突き刺さり、壁には沢山の骸骨が収められていた。
 どうやらここが刑場のようだった。
死刑を受けた受刑者達は遺体を遺族に返却されず、首だけを壁に収められて体の方は埋葬されたんだろう。
 そんな事を考えていると扉が音を立てて閉まった。
「えっ?」
 完全に閉じ込められた。
 このパターンは間違いない。
「みんな、油断しないで」
 お姉ちゃんが言うと皆武器を構えた。
 するとそれが現れた。と言うより動いた?
 なんと目の前の大剣が誰もいないのに台座から引き抜かれてフワリと浮かび上がった。
「な、何これ? これが敵?」
 でもボスならば名前が表示されるはず、しかし大剣はそのまま襲いかかってきた。
 巨大な刀身が私達に向かって振り下ろされた。
「きゃっ!」
 私達はそれぞれ左右に飛んで交わした。
 大剣は私達の居た場所が大きく砕いた。
 体制を整え直したサリアさんは不可思議そうに剣を見た。
「何なんですの? あれもモンスター?」
「だったら」
 私はファイア・ソードを構えて突進した。
「気合い斬りっ!」
 私はファイア・ソードを振るった。
 刀身と刀身がぶつかり、鈍い金属音を放つ。
 すると大剣が大きく旋回すると私を弾き飛ばした。
「きゃああっ!」
 私は石畳に転がった。
 その隙を狙って大剣は私に切っ先を向けて突っ込んで来た。
「お姉さまっ!」
「まずい」
 センリが魔法を唱えた。
 自分の足元に紫色の魔法陣が現れるとカッと目を見開いた。
「グラビティ・バインドっ!」
 魔法陣の中から現れた重力の鎖が大剣に絡みついた。
 どんなモンスターでも1〜2ターン防ぐ事が出来る。
 私は立ち上がって逃げようと思った瞬間、鎖に亀裂が入って粉々に砕け散った。
「スキル発動!」
 お姉ちゃんは防御をしながら私を庇った。
 しかし大剣の威力が強すぎたのだろう、お姉ちゃんは壁の方まで飛ばされた。
「きゃあああっ!」
「お姉さまのお姉さま!」
「お姉ちゃんっ!」
「だ、大丈夫よ!」
 私とサリアさんが叫ぶとお姉ちゃんは立ち上がった。
 結構良い防具揃えてるからHPは0ならなかったんだろう、でもダメージはかなりの物のはず。
 明らかにこいつはボスじゃ無い、でも何とかしないといけなかった。
 そんな事を考えていると大剣が青白い不気味な光を発った。
 切っ先が床に突き刺さったるとまるで水滴を水面に垂らしたように不気味なエネルギーが部屋中を包み込み、壁に飾られていた頭蓋骨の目の窪みが怪しく輝いた。
『カカカカカ!』
 頭蓋骨達が突然笑い出すと青白い炎が噴き出し、フワリと浮かび上がると炎が尾を引きながら部屋中を飛び回った。
 さらに顎を大きく開くと青白い火球を吐きだした。
「このっ!」
 私達は応戦する。
 私達の武器が頭蓋骨を砕いた。
『ギャアアッ!』
 頭蓋骨はたちまち床に落ちた。
 でも砕かれた破片が復元すると再び私達に襲いかかってきた。
 しかし頭蓋骨ばかり気にしていられない、向こうには絶対的な攻撃力を誇る大剣がある、私やお姉ちゃんはともかく、センリ、サリアさん、レイさんが狙われたら1発でアウトだ。
 まるでフロアその物が敵のようだった。
 今まではちゃんとしたモンスターだし、難しかったけど弱点を探せば倒せた。
 でも部屋その物が敵なんてどうやって倒せば良いのか分からなかった。
 いっそ爆弾で部屋じゅうふっ飛ばせば…… って思ったけど生憎そんなアイテムは存在しない、百歩譲ってあったとしても、それ以前に扉が閉まってる訳だから逃げ出す事は出来ない。
「あれ、これって……」
「レイさん、どうかしたの?」
「あ、いえ、ワチキは日本を勉強した時に妖怪の事も調べたのでありんすが、その時に似たようなmonsterを見たでありんす、確かヤナリ…… とか言っておりました」
「ヤナリ? ああ、『家鳴』ね…… あっ!」
 私は思い出した。
 家鳴とは家がギシギシ音を立てるのはこの妖怪が家を揺らしているからだと伝えられている、ちなみに揺さぶられた家は家具や道具が宙に浮かんだりする。
 つまりそんなモンスターがいるなら、この現象を引き起こしている張本人だ。
「でもどこにいるの? 探す方法が分からないんじゃ探しようがないわよ」
「古人曰く『餓鬼の目にも水見えず』、一旦落ちついて考えよう、焦ってると返って方法が見つからない」
「そんな事言ってる場合じゃありませんわ!」
 サリアさんは言う。
 確かに今の状況で落ちついて探せと言う方が無理だ。
 向うの攻撃はどんどん激しくなって来ている、このままじゃいつか対処できずにやられてしまう。
 するとレイさんが笑いだした。
「huhuhu、いよいよワチキの本領発揮でありんすね」
「レイさん、考えがあるの?」
「ワチキのskllを使えばno・problemでありんす!」
 レイさんは技コマンドを選択した。
「analyzeっ!」
 途端レイさんは叫びながら目を見開いた。
 今回のレイさんの使ったアナライズ(分析)は土に潜り周囲の風景に溶け込み姿を隠したモンスターを探す事が出来る。
 さらにこれはモンスターの現在のHPやステータスまで暴露させる事も出来る。
「そこでありんすっ!」
 レイさんがビシっと人差し指を向ける。
 彼女を中心に7時の方向、そこには何やら黒いモヤの様な物が出来ていた。
「サリアさん!」
「はいっ!」
 私が言うとサリアさんは鉄線を放り投げた。
「飛翔扇っ!」
 高速回転する鉄扇はレイさんの指示した方向へ飛んで行った。
 でも頭蓋骨が邪魔をして阻まれてしまった。
「まかせて」
 するとセンリが雷鳥の杖をかざした。
 足元に魔法陣が浮かぶとバチバチと火花を放ちながら発光し、杖の先端の鳥の彫刻に集まった。
「ギガ・ライザーッ!」
 特大の雷の球体が放たれるとサリアさんの攻撃でがら空きになった合間をすり抜けて見事標的を捕え爆発した。
 轟音が響き、フロアが揺れると天井から細かい砂が落ちて来た。途端私達を襲っていた頭蓋骨と大剣が床に落ちた。
作品名:ねとげ~たいむ 作家名:kazuyuki