ねとげ~たいむ
私達は街に返ってきた。
「まさかあんな手があるなんて思いませんでした」
「さすがはお姉さまのお姉さま、臨機応変で素敵ですわ」
ホイップ君は姉さんを褒め、サリアさんは両手を合わせて感激の眼差しを向けた。
最終的にお姉ちゃんが良い所を持って行っちゃったけど、確かに私も考え付かなかった。
人気者になったお姉ちゃんはパーティの中心になっていた。
この人には人を集める才能がある、こう言った所は見習うべきだろう。
するとエミルが腕を後ろに回して口を尖らせた。
「あ〜あ、結局終わっちゃったね〜」
「私は楽しかったです〜、またみんなで行きたいです〜」
セナさんは笑顔で言って来た。
彼女のアドレスはもう聞いてあるから、これから好きな時に話す事が出来る。
「じゃあもう一回行く? 私は良いけど」
「ムゥ、生憎我らは明日異国の地へ旅立たねばならぬのだ。よって今日の所はここまでなのだ」
「僕達明日から2泊3日の家族旅行に行くんですよ、ですから早く上がらないと……」
「アタシは朝から部活〜」
「じゃあ残念だけどお別れで……」
「みんなーっ!」
すると掲示板を見に行っていたレミが戻って来た。
「希望者がいたわ、それも念願の盗賊よ」
「マジで?」
「今から会えるってさ、どうする?」
どうするもこうするも、上手く行けば全員で特別クエストを受ける事が出来る、私達の答えはもう決まっていた。