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ねとげ~たいむ

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『グルァアアア―――ッ』
「うわあっ?」
 部屋に入った途端私は驚いた。
 木箱だらけのフロアに1つだけ、鉄格子の檻が置かれていて、中には1匹のモンスターが入っていた。
 8本の大小の角が生えたサメの様な頭、巨大な亀の甲羅の様な胴体を黒く巨大な4本足が支え、大蛇の様な尻尾が檻の隙間から飛び出て暴れていた。
 そのモンスターが入っている檻の前にはC・マーマンが蹲っていた。
 鍵を落としてどうしてこの部屋に入れたのかと言う疑問は置いておいて、C・マーマンは私達の方を振り返って睨みつけた。
『クククっ、今更後悔したって遅いぞ、こいつの腹の中で後悔するんだな!』
 C・マーマンは鍵を外してモンスターを解き放った。
 自由になったモンスターは私達の前に立ちふさがり、名前が表示された。
『メガロ・キング』
 間違いない、こいつが本当のステージ・ボスだ。
 するとC・マーマンが叫んだ。
『やれ、メガロ・キング! 奴らを捻り潰せ!』
『グオオオオ―――――っ!』
 メガロ・キングは大きく咆える。
 すると大きく開いた顎から無数の水の塊が発射された。
 私達はそれを回避すると身を翻すと臨戦体制をとった。
「ギガ・ライザーっ!」
 センリは杖の先端から雷撃を発射する。
 だけどメガロ・キングは身を屈めると亀の甲羅が雷撃を弾き返した。
「なっ!」
「魔法が通じない?」
「魔法が効かないならこれだぁあああ!」
 エミルは走り出すとドラゴン・バトンを構えてジャンプ、一気に頭上まで跳ぶと両手でドラゴン・バトンを構えた。
「エミル・メテオシューティングエクスプロージョンっ!」
 ドラゴン・バトンがメガロ・キングの甲羅に突き立てられた。
 だけどこれも弾かれてしまった。
「何て固いのよ?」
「そうだレミ! あの手で行こう!」
 私が言ったあの手とは以前ボブ・ゴブリンに使ったコンボだった。
 レミの相手の防御力を落とす『ブレイク・ダウン』の魔法と私の『渾身』の合わせ技だった。
「渾身っ!」
「ブレイク・ダウン!」
 私を赤い光が包み込み、レミがホーリー・メイスの先端をメガロ・キングに向けて魔法を放った。
 メガロ・キングを取り囲むように白いサークルが光り輝くと『DOWN』の文字が浮かび上がり、敵モンスターの防御力が減った。
「今よ、コロナ!」
「うんっ!」
 私はメタル・スパイクを構えて突進した。
「パワー・ドライブっ!」
 私は武器をふりおろす。
 だけどこれも弾き返されてしまった。
「どうすりゃ良いってのよ!」
「魔法もダメ、物理攻撃もダメ、手の打ちようが無いわよ」
 エミルとレミが言う。
「でも普通倒せない敵なんている訳無いじゃない、きっと何か手があるはずよ」
 私はメガロ・キングを見る。
 メガロ・キングは大きく口を開け、床を砕きながら突き進んで来た。
 私達は逃げ回りながら相手の弱点を探した。頭、胴、尻尾を攻撃して様子をみるが、どこも攻撃が通じなかった。
「攻撃が通じないって、まるでゴーストじゃない!」
「ゴーストの方が可愛いよ、あれ特殊な武器があれば倒せるんだから!」
「特殊な武器……あっ!」
 私は思い出した。
 そして道具コマンドを開いて装備を取り換える。
 装備したのは『海鳴りの鉾』、さっきC・マーマンが使っていた武器だった。
「コロナ、それ拾って来たの?」
「うん、もしかしたらこれなら!」
 私はモンスターに攻撃を仕掛けた。
「たああっ!」
 通常攻撃だけど私はモンスターめがけて武器を突き出した。
『ギャアアッ!』
 モンスターがダメージを負った。
 やっぱりこの武器で倒せるんだ。
「みんな下がってて、あとは私が何とかするから!」
 私はメガロ・キングに狙いを定めた。

 コロナが戦っている間、攻撃手段が無い3人は見ているだけしか無かった。
「どうしよう、コロナが危ないよ〜」
 エミルが言う。
 確かに攻撃方法は分かったが優勢と言う訳では無い、今の装備では攻撃1発食らう度にダメージは大きい。
 するとセンリが言って来た。
「レミ、コロナのサポートお願い……エミルは手伝って」
「えっ? センリ?」
 センリはエミルを連れてレミの元から離れた。
作品名:ねとげ~たいむ 作家名:kazuyuki