ねとげ~たいむ
「古人曰く、『鉄は熱いうちに打て』!」
私とレミとセンリはそれぞれの攻撃を解き放った。
「ギガ・ライザーっ!」
「シェイクっ!」
「パワー・ドライブ!」
雷撃、衝撃波、打撃の順番でC・マーマンに攻撃を食らわせた。
『ギャアアアア――――ッ!』
C・マーマンはよろけるとその場に膝を着いた。
C・マーマンの防御は1ターンで攻撃を一回だけ封じると言う物だった。
つまり相手の防御は物理攻撃や魔法攻撃、はたまた同時攻撃さえも封じてしまう、でもスキルによる追加攻撃か、誰かが最初に攻撃してそれを防いだ後なら攻撃が通じる。
C・マーマン戦闘後、案の定他のP・マーマンの群れは画面から消えていなくなった。
『ググ……おのれぇ』
残されたC・マーマンは両肩を上下しながらギラつく両目で私達を睨みつけた。
『こうなったら最後の手だ!』
C・マーマンは腹を抑えながら私達が入って来た扉を通って部屋を出て行った。
いつもはステージのボスを倒せば終わりのはずなんだけど、こいつはボスじゃ無い?
「中ボスかなんかでしょ……狙ってた敵が実は雑魚で、その裏に大魔王がいるって言う、良くある話よ」
「逃げ出すって事は追いかけるって事だよね? でもどこに?」
「あれ、これ何?」
するとエミルが何かを見つけた。
それは床に落ちているノコギリザメを模した鍵だった。
エミルはそれを拾い上げるとセンリが言って来た。
「多分さっきの鍵のかかった部屋、それで入れるはず」
「じゃあ行くわよ!」
レミが言うとエミルとセンリは頷いて部屋を出て行った。
私も後を追おうとしたけれど、ある物が目に入ったので『それ』に手をかけた。
私達は鍵のかかった部屋にやって来た。
センリの言った通り床に赤い血痕が残っていたので追跡は楽だった。
「エミル、鍵」
「分かった」
エミルは鍵になったノコギリ部分をカギ穴に突っ込んで回すと扉は音を立てて開き、私達は中に入った。