ねとげ~たいむ
そんな話をしながら船を進ませる。
やがて海賊船にたどり着くと私達は敵船に乗り込んだ。
甲板に上がると案の定団体さんのお出迎えだった。
全身緑の鱗に爬虫類の様なオレンジの瞳、上半身裸で背びれが生えた半魚人で、頭にはバンダナと右手に大きな片刃の剣で武装していた。
こいつらはP(パイレーツ)・マーマン、この船に巣食うモンスターだった。
「早速いるわねぇ、下っ端どもが」
レミは肩にホーリーメイスをかけながら微笑する。
「ざっと数えて20、1人頭4人ってとこだね」
「え、4人?」
「エミル、20÷4は5」
「……小学校からやり直してきなさい」
「う、うるさい! 4も5も同じだよ!」
全然違う、4と5じゃえらい違いだ。
頭を抱えるレミにエミルが逆切れする。
『ギシャアアッ!』
P・マーマン達は私達に向かって襲い掛かって来た。
私達はそれぞれの武器を持ってP・マーマンに飛び込んで戦闘を開始した。
「エミル・デストロイスマッ―――シュっ!」
エミルは技を選択する。
ドラゴン・バトンの強力な一撃がP・マーマン達を薙ぎ払うと床に転がって消滅した。
「やっぱ海賊って言ったら幽霊か魚人だよね〜」
「そうかな?」
私は首を傾げながら相手を払うと技を選択する。
「アース・クエイクっ!」
普通こんなボロ船に使えば足元が砕け散るだろう。
床にメタル・スパイクを叩きつけると床を伝って衝撃波が走り、P・マーマン達にダメージが与えられた。
だけどそれだけじゃ無い、この技を食らった敵はごく稀だけど1ターンだけ動く事が出来ない、その隙に私は『渾身』を使って力を貯めるともう1つの技を選択した。
一撃で倒す事は出来なかったけど、運よく何体かが麻痺状態になった。
「ローリング・ハンマーッ!」
両手で持ったメタル・スパイクをハンマー投げのように回転し、敵を攻撃した。
たちまち敵は空高く投げ飛ばされ、甲板に叩きつけられて消滅した。
「行ける!」
私はメタル・スパイクを見る。
何しろ今回はファイア・ソードはあんまり役に立たなかったからだ。
今の私の手持ちの武器の中で最強なのはファイア・ソードだけ、でも今回のクエストの場が海と言う事で水属性のモンスターに火属性の武器は全く通じない。
エミルも今回はアクア・トンファー以外の武器で行くらしい、水属性のモンスターに水属性の攻撃は半減してしまうからだ。
「はぁ、雷属性の武器でも買っとくんだったな」
お金が勿体ないからあまり使わなかったのが仇になった。
これから色んな属性の武器を買おうと思った。
センリなら絶対『後悔先に立たず』って言うだろう、そう思いながら残りのP・マーマンを倒した。