小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ねとげ~たいむ

INDEX|48ページ/119ページ|

次のページ前のページ
 
 
 それから戦いに戻った私はショート・ソードを構えて気を引き締め直した。
 ある程度レベルも上がったので簡単に倒す事が出来るようになり、さらに技を覚える事が出来た。
 剣装備時に会得できる『気合い斬り』だった。
「気合い斬りィ―――っ!」
 さっそく気合い斬りを選択する。
 1・5倍の斬撃がモンスターを倒した。
『ギャアアアアッ!』
 1つ目の緑色の大蜥蜴、サイクロ・リザードは横転した。
「ふう……」
 私は後ろを振り向いて去ろうとした。
 途端サイクロ・リザードは目を見開いて私に向かって火を噴いた。
「えっ?」
 私は慌てて振り向く、だけど突然の事で指すら動かす事が出来なかった。
「ブリザーっ!」
 突然私の背後から冷気の塊が放たれるとサイクロ・リザードの炎を相殺した。
「えっ?」
 後ろにいたのは1人の魔道士の女の子だった。
 その子は私に向かって言った。
「古人曰く『注意一秒・油断大敵』、どんな状態でも気を緩めない方が良い」
「えっ? ええっ?」
「モンスターの中には倒したつもりでも死んだふりをしてやり過ごすモンスターもいる」
「そ、そうなんだ」
 私は振りかえって剣を抜く。
 立ち上がったサイクロ・リザードは私達に向かって突進した。
「はあああっ!」
 私は擦れ違い様にショート・ソードを振ってサイクロ・リザードの腹を切った。
『ギャアアアアッ!』
 サイクロ・リザードが再び倒れる、だけど二度とそんなのは通じない。
 私はショート・ソードの切っ先をサイクロ・リザードに突き立てた。
『ヒギャアッ!』
 サイクロ・リザードは体を痙攣させて動かなくなると画面から消えた。これで本当の終わりだった。
 私は振り向いて女に子にお礼を言った。
「危ない所を助けてくれてありがとうございました」
「別に、お礼をされるほどの事じゃ無い」
 それだけ言うと彼女は振り返って歩き出した。
「あ、あの……」
「何?」
 彼女は振り返る。
 レミと違ってあんまり意識表示をしない彼女は私をジッと見つめただけだった。
「え、ええと…… 戦士のコロナです、本当にありがとうございました」
「魔道士のセンリ、何度もお礼は要らない」
 それだけ言うと去っていった。
「不思議な人だなぁ……」
 私は首をかしげた。
 やっぱり色々な人がプレイしてるんだと思った。
 そりゃみんなが普段と同じ風に遊んでる訳じゃないだろうし、現実の顔が分からないんだから少しくらい強気になったりなるだろう、人それぞれのはずだけど……
作品名:ねとげ~たいむ 作家名:kazuyuki