ねとげ~たいむ
「えっ?」
どう言う事か分からなかった。
フィールドには大勢のアバターがいた。しかしお姉ちゃんの姿が無かった。確かに街から一緒に出たはずなのに?
迷っているとお姉ちゃんからチャットが来た。
『ごめ〜ん、言い忘れた。ランクが違うと一緒に行けないんだった(笑)』
言い忘れで済むか! あと(笑)って何?
「お姉……」
現実世界の私は隣の部屋に向かって声を上げようとしたが、今夜中だって事を思い出して口を紡いだ。
仕方ないからお姉ちゃんに直接文句を言ってやろうと立ち上がった瞬間、画面が騒がしくなった。
『ワアアアアアッ!』
見るとあちこちで戦闘が始まっていた。立ち止まっているのはコロナだけだった。
「ま、まずい!」
私は慌てて椅子に座った。