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ねとげ~たいむ

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 ギルドに戻った時にはセナさんの姿は無かった。もう夜半過ぎだし上がったんだろう。
 でもエミル達は集まっていた。そして錬金所に向かうと私達は新しい装備を作った。
 店員はドワーフ、小太りでボサボサの黒い髪に手ぬぐいを巻き、髭を生やして生やした中年のおじさん達が2人、奥の工房で真っ赤になった金属にハンマーを振り下ろしていた。
『はい、できあがり!』
 出来たばかりの武器を私達は受け取った。
 エミルは鮫の背鰭がノコギリの状になったアクア・トンファー。
 レミは8つのダイヤモンドの片を放射状に接合し、赤い布が巻かれた柄に取り付けた『ホーリー・メイス』。
 センリは先端のサンダー・トパーズを黄金の鳥の翼が守るように包み込むように取りつけられた黒く長い柄の『雷鳥の杖』。
 そして私のが両刃の真っ赤に燃えるような刀身の真ん中にルーン文字が書かれ、金色の柄の『ファイア・ソード』だった。
 私はファイア・ソードを抜いて切っ先から柄までを見る。
「随分嬉しそうね?」
「え、うん」
 何しろこれはセナさんと一緒に取った大事な剣だ。ずっと大事にするつもりだ。
 するとレミが私の気持ちを察したのか、ホーリー・メイスを肩にかけながら言って来た。
「その子、また逢えると良いね」
「うん」
 私は頷いた。
 またセナさんにあったら、もう一度折お礼を言おう、私はそう思いながら刀身に映る自分の笑顔を見て思った。
 
作品名:ねとげ~たいむ 作家名:kazuyuki