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ねとげ~たいむ

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 コマンドを開くとセナさんはもうすぐ制限時間の1時間になろうとしていた。
 私はセナさんにお礼を言う。
「今日は本当に助かりました。ありがとうございました」
「いえいえ、私は借りを返しただけですから、それにバーニング・ルビーが手に入るって訳じゃないですし」
「それでも可能性は上がりました。私1人じゃマグマ・レックスとは戦えませんでしたから……」
「私も、落とし穴をあんな風に使うなんて普通考え付きませんよ」
 でもセナさんの助けが無ければ出来なかったのは事実だ。
 一度落とし穴にはまってた彼女を思い出した何て言う事が出来なかった。
 セナさんは頭の後ろに手を当てると私に背を向けてため息をついた。
「あ〜あ、もうすぐコロナさんとお別れかぁ〜」
「また会えますよ…… あ、良かったらまた今度冒険しませんか? 今度は私の仲間も一緒で」
「良いんですか? あ、でも私部活があるからあんまりできないんです…… きっとレベルも差がついちゃう」
「そんなのみんな気にしませんよ、みんな良い人達ですよ」
「そうですね、じゃあいつになるか分からないけど、その時はよろしくお願いしますね」
「はい、いつでも待ってますね」
 私は頷く。
 するとセナさんの制限時間が0になった。
「今日は楽しかったです、本当にありがとう、コロナさん」
 そう言いながらセナさんは画面から消えた。
 それから数十分後、私も時間切れでクエストを終了した。
 そして私の道具袋の中にはバーニング・ルビーが入った。
作品名:ねとげ~たいむ 作家名:kazuyuki