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ねとげ~たいむ

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 その後も戦闘があると煙玉を使って戦闘を回避、私達はマグマ・レックスが棲みかとしている火口付近にやって来た。
 周囲はマグマの海で溢れているが十分に動き回れるだけの足場はあった。
 天井は大きく開いていて黒雲が立ち込めているが青空が見え、岩肌や壁からはマグマが滝のように流れている場所があった。
「マグマ・レックスはどこかな?」
 私は周囲を見回す。
 すると真っ赤に燃えるマグマが盛り上がると1体の巨大なモンスターが姿を現した。
 ただ全身赤黒いひび割れた皮膚、爬虫類のような目と大きく裂けた顎、両肩から突き出た2本の角、巨大な胴体から生えた3本の指で巨大に発達した腕、バランスを保つ長い尻尾、それを支える黒い3本の爪が生えた巨大な足でノッシノッシと地響きを立てながらマグマの泉から這い上がって来た。
『ガアアアアアッ!』
 マグマ・レックスは大きく咆えると大気の振動で黒い煙が吹き飛ばされた。
「こりゃまた凄いのが」
 私はバスター・ソードを構える。
 セナさんも氷河の弓を構える。
「さっさとやりましょう、時間が少ないです!」
 セナさんはマグマ・レックスに向かって流水の矢を放った。
 矢はマグマ・レックスの胴体にヒットする、しかしマグマ・レックスにとって蚊が刺したほどの痛みも感じていなかった。
「気合い斬りっ!」
 私のバスター・ソードがマグマ・レックスの足を切り裂いた。
『グウウッ!』
 マグマ・レックスの顔が歪んだ。
 だけど弓よりは通じると言うだけであまり効いてはいなかった。
『ガアアアッ!』
 マグマ・レックスのターン。
 マグマ・レックスは大きく足を振り上げると私に向かって巨大な足を振り下ろした。
「きゃっ!」
 巨大な足が大地にめり込むと私は吹き飛ばされ、HPを減らしながら地面に転がった。
「コロナさん!」
 セナさんは叫ぶと氷河の弓の弦を引いた。
「スキル発動!」
 セナさんはスキルを発動させる。
 発動させたのはロック・スキルだった。
 セナさんの矢の先に緑色の魔法陣の様な物が現れてセナさんが攻撃を放った。
 魔法陣を通った矢が光を帯びながら飛んで行くとマグマ・レックスの顔に命中した。
『グルルル……』
 マグマ・レックスはセナさんを睨みつけた。
「こっちよ、マグマ・レックス!」
 セナさんはマグマ・レックスに向かって再度スキルを発動、今度はリピット・スキルだった。
 魔法陣を通った矢が今度は無数に分離するとマグマ・レックスの方に飛んで行った。
 マグマ・レックスはそんなのお構いなしにセナさんに向かって地面を揺らしながら突進して行く。
「セナさん!」
 私はすぐさまガード・スキルを発動させようとする、だがその時だった。
『ガアアアッ?』
 突然マグマ・レックスの足元が陥没し、マグマ・レックスの半身が地面に埋まった。
 これはセナさんが仕掛けていた罠だった。
 私が飛びこんでいる間、セナさんが落とし穴を張っていたのだった。
『ガアアアッ! ガアアアッ!』
 マグマ・レックスは落とし穴から這い出ようと必死でもがいている。
 するとセナさんは武器を変えてダガーを逆手に装備した。
「コロナさん!」
「はい!」
 私はバスター・ソードを構えて技コマンドを開いて選択する。
「渾身!」
 足元から赤い光が溢れて刀身に集まるとマグマ・レックスに向かって飛んで行った。
「はあああっ!」
 私は剣を振り下ろすとマグマ・レックスの皮膚を切り裂いた…… かと思った。
「くっ、硬い!」
 ガギンッ、と言う音と供に私の攻撃がはじかれた。
 相手の皮膚の強度が思ったより高かったからだ。
 だけど全く効いてない訳じゃない、攻撃を続けていればダメージが蓄積していくはず、そう思った私は新しい攻撃技を選択した。
「乱舞っ!」
 高速の連続攻撃がマグマ・レックスに炸裂する。
 さらにセナさんも私に続いてダガーで似たような技を放った。
「スラッシュ・カットっ!」
 ハンター版の『乱舞』が炸裂、威力は私の半分くらいしかないだろうけど、少しでもモンスターのHPを減らそうと言うのだろう。
 しかしマグマ・レックスもただやられている訳じゃ無かった。
 マグマ・レックスは地面に両手を押しつけると全身の力を入れて身を震わせた。
 途端マグマ・レックスの目が怪しく輝くとその体が閃光に包まれた。
作品名:ねとげ~たいむ 作家名:kazuyuki