小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ねとげ~たいむ

INDEX|34ページ/119ページ|

次のページ前のページ
 

「このままじゃ全部食べられちゃうよ〜!」
「だけど攻撃が当たらないんじゃ…… こんな事ならカウンター・スキルでも買っておけばよかった」
 私は後悔した。
 カウンター・スキルとはその名の通り、相手が攻撃したと同時に斬り返す、反撃用スキルの事である。
 勿論与えられるダメージは通常の半分程度になってしまうのだけど、それでもないよりマシだった。
「無い物をねだっても仕方ない」
「センリ?」
「コロナ、少し冒険だけどやってみる?」
 センリは私に言って来た。
 その話を聞いた私はエミルとショコラさんを見て言った。
「それならエミルとショコラさん達でもできるんじゃない?」
「「ええっ?」」
 エミルとショコラさんは露骨な顔で互いを見た。
「冗談じゃないわよ、何でこんなワガママ女と!」
「それはこっちの台詞よ! 誰がこんな化け猫なんかとやらなきゃいけないのよ?」
「誰が化け猫よ! 黒猫よ私は!」
「大して変わんないわよ! 大体私は犬派なんだから!」
「はぁ? 犬のどこが良いのよ? ワンワン騒いでうるさいだけじゃ無い!」
「猫よりは役に立つわよ!」
「2人供落ち着いて、話しが脱線してるよ」
 エミル犬派だったんだ、初めて知った。
 確かに私とセンリだけでも可能だけど、出来ればエミルとショコラさんにも協力して欲しかった。
 勿論1人より2人でやった方が効率が高いと言うのもあるけど、同じゲームをプレイする者として一緒に協力してやりたかった。
「エミル、ショコラさん…… お願い、2人供協力して!」
「コロナ?」
「そりゃ私は装備はパラメーター関係の事でしか興味無いけど…… とりあえずあいつを倒さないとあのドレスは手に入らないんじゃない?」
「僕もそう思います」
 するとホイップ君が言って来た。
「姉さん、このままじゃ星の涙が全部奴に食べられちゃうよ」
「エミルも、勝負付く前に星の涙が無くなったら決着つかない無いんじゃない?」
 レミも言って来る。
 するとエミルとショコラさんは互いの顔を見ると顔を顰めた。
「……仕方ないわね、一時休戦よ」
「分かってるわよ!」
 エミルとショコラさんは身構える。
「行くよコロナ、遅れないでね!」
「うん!」
 私達は地面を蹴って走り出す、するとセンリとショコラさんの足元に魔法陣が浮かび上がった。
「吹き抜ける風よ、邪を内払う力となれ! ハウリング・ヴォーテックスっ!」
「メガ・ウィルドっ!」
 2人は同時に魔法を放つ。
 ちなみに言うまでも無いだろうけど魔法の正式名称は後者(センリ)の方が正しい。
 2つの竜巻は螺旋を描きながら跳んで行く、だけどその先にいるのはベアットじゃない、2人が狙ったのは私達だった。
「ぐっ!」
 私達の背中に当たるとまるでジェット機になったかのように加速し、一気に間合いを詰めてベアットに向かって行った。
 しかしベアットはそれを見通していたようにジャンプして私達の攻撃を交わそうと足を曲げるが、その瞬間を狙って別の攻撃が放たれた。
「「シェイクっ!」」
 レミとホイップ君の半月型の衝撃波がベアットの足元を砕いて反応を遅らせた。
 その刹那の時間に私達は技コマンドを選択する。
「気合い斬りっ!」
「エミル・ろけっと・ぱ〜んちっ!」
 私の剣が相手の左肩から右のわき腹を切り裂き、エミルの正拳突きが顔面に炸裂した。
『ギャアアアアッ!』
 私達の技がするとベアットは地面に転がると画面から姿を消した。
「はぁ…… やっと終わった」
 私は剣を仕舞った。
 星の涙GET! これにてクエスト終了だった。
作品名:ねとげ~たいむ 作家名:kazuyuki