ねとげ~たいむ
街に戻って報酬を受ける。
そろそろ夜も遅い(現実の時間で)ので上がろうとした。
「今日はありがとうね、助かったわ」
私は感謝してエミルとセンリに言う。
後少し遅ければ私達はゲーム・オーバーだった。
そうなったら夢の中にアンデットとかが出てきて眠れなかっただろう。
でもおかげで今日は安心して眠れそうだ。
「必ず行くって約束した。だから私達は当然の事をしたまで」
「まぁ、アタシ達のおかげで今回はクリアできたようなモンだけどね〜」
「そうね、ありがとう」
「へっ?」
エミルはキョンとする。
それは私も…… 無表情だけどセンリもレミの方を見ている。
「な、何よ? 何か悪い事言った?」
「え? いや、何かいつものレミと違うなって……」
私は首をかしげる。
いつもなら調子に乗ったエミルにツッコミを入れるのに……
「あのね、私だってちゃんと場合って物を弁えてるわよ、ちゃんと感謝もしてるし、ありがたいと思ってるわよ」
レミは眉を細めながら言う。
私はレミの事を少し理解できた。
怒ると恐いけど仲間を誰よりも理解し、信じてるのがレミだった。
私はもうダメだと思った時に励まされた時の言葉を思い出した。
今回のクエストがクリアできたのもレミがいたからかもしれない。
「へぇ〜、そ〜なんだ〜」
するとエミルが目を細めながらレミに近づいてきた。
「それじゃあアタシを『神』と呼びなさい! そんでもって3べん回ってワンって鳴いたあと靴を舐めて……」
エミルは大威張りで胸を張りながらレミの頭をポンポン叩いた。
するとレミは歯を食いしばり、身を震わせると右手でエミルの顎をつかんだ。
「……あんま良い気になんなよ、クソガキが」
「ふ、ふぁい……」
エミルはガタガタと震えだした。
周囲の人達もレミに恐れをなして震えだしていた。
レミと言う人間はダイブ理解出来たけど、でもレミに対する印象は恐怖だった。