ねとげ~たいむ
「はああっ!」
エミルは助走をつけて大ジャンプ、
しかしその時、バシリスクの瞳が怪しく輝くと鋭い牙が並んだ口を大きく広げた。
「しまっ……」
猛毒のブレスが発せられてエミルを包み込もうとする、だけど……
「スキル発動っ!」
私はブロック・スキルを発動してエミルをかばう、元々毒の状態だったからこれ以上の毒は無い、
私達は着地するとすかさず私は背後のエミルに言う、
「エミル、エミルはこのまま攻撃して、危なくなったら私が援護するから」
「分かった!」
着地後、私は後ろのエミルに言うとエミルは両足を揃えて大ジャンプ、大きく右足を付きだした。
「ス〜〜パ〜〜・エミル☆メテオ・キィ〜〜ック!」
渾身の飛び蹴りがバシリスクに炸裂、ダメージを与えた。
『グオオオっ!』
バシリスクは身を震わせると再び全身から毒の霧を噴き出した。
「スキル発動っ!」
私はエミルの前に立ちふさがり毒の霧を防いだ。
私のブロック・スキルはエミルのスルー・スキルと違い発動させればいつでも使える、こうしてエミルをかばえば複数を毒状態に出来るこの攻撃も受けるのは1人だけで済む、
防御してるから攻撃のダメージは無いけど、相変わらず毒状態のダメージは防げない、
「ヒールっ!」
私の体力が回復する、
遠くを見るとレミが右手の親指を立てた。
「エミル、あいつを湖に押し込めて!」
「どうするの?」
私はさらにレミの後ろを見るとそこには呪文を唱えているセンリがいた。
「センリが作戦を考えたの、手伝って」
「りょ〜かいっ!」
私とエミルは湖の方に回り込む、
「こっちよ!」
『ガアアアッ!』
私達が構えるとバシリスクは地響きを立てながら私達に突っ込んで来た。
でもこれも作戦だった。
さっきから攻撃して来た事でバシリスクの怒りの矛先は私に向いている、
私達は武器を構えて突進する、
「気合い斬りっ!」
「はいぱ〜・エミル・なっくるっ!」
私の気合い斬りとエミルの技(本当は撃正拳)がバシリスクの両足に炸裂、バシリスクはバランスを崩して水飛沫を上げながら湖の中に倒れた。
「今よ、センリっ!」
私は後ろの呪文を唱えていたセンリの足元に魔法陣が出現、さらに左手を広げると手の中にバレーボールくらいの球体が現れた。
「ライ・ボルトっ!」
そしてそれをバシリスクの頭上に解き放った。
途端球体は昼間の太陽の様な輝きを放つと雷の矢が湖に向かって放たれた。
『ギャアアアアッ!』
バシリスクは断末魔を上げながら体を痙攣させると湖の中に倒れて画面から消滅した。
「やったやった!」
エミルはジャンプしながら喜んだ。
「こんなの考えるなんて……」
レミに解毒魔法をかけてもらいながら私は鋼の剣をしまった。
「まだ終わって無いわ、早く薬を」
「うん!」
センリに言われて私は湖に陽仙湯を使った。
たちまち不気味な色に染まっていた湖はたちまち透き通って綺麗になって行った。
これにてクエストは終了、村も平和になったはずだ。