ねとげ~たいむ
最悪な事はまだ続いた。
トルニトスが大きく天に向かって吼えると空から無数の落雷が辺り一面に降り注いだ。
しかもそれだけじゃない、額の3本の角が強い光りを周囲に落ちた無数の稲妻がダンスを踊るように螺旋を描きながら自分の元に吸い寄せられていった。
さらに驚くべき事にトルニトスはそれを吸収して眩い閃光に包まれるた。まさに雷の鎧を纏ったって感じになった。
『ガァアアァァ―――ッ!』
トルニトスはサンダー・ブレス…… と言うより圧縮されたレーザーと言う感じのブレスで私達を攻撃して来た。
私はとっさに鏡の盾で防御した。
「ぐうっ!」
私は顔を顰めた。
見た目からして普通のサンダー・ブレスよりパワーアップされている、恐らくまともに食らえばゲーム・オーバーは免れないだろう。
何とか鏡の盾で跳ね返す事が出来てトルニトスにぶつける事は出来た。
でもトルニトスはビクともしてない…… 目が赤く輝くと全身の発光がさらに強まって、むしろ強くなったみたいだ。
「ど、どうなってんの?」
「奴は落雷のエネルギーを自分のエネルギーにする、つまりコロナが跳ね返した自分の圧縮したサンダー・ブレスも吸収して増幅させてるんだと思う」
「えっ? じゃあ私の責?」
「単に運が悪かっただけでしょう、一々悩まない」
「あれ? じゃあ何で最初に跳ね返した時にパワーアップしなかったの?」
「放電状態じゃないと使えないと思う、それでも雷属性の敵に雷撃は通用しないけど……体の表面をマイナスの雷にする事で頭の角で雷を誘導、落雷を吸収してるんだと思う」
「え? え? 何々? どう言う事?」
エミルは尋ねて来た。
「あ、そうか、ええとね…… どう言ったら良いのかな?」
私は首を傾げた。
私は文系は何とかなってるけど、理数系は大の苦手だ。
するとセンリが私の肩に手を当てた。
「私が言う」
センリは私の代わりに説明してくれた。