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ねとげ~たいむ

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 夏休みも残り1週間を切った。
 外は今だ暑い日が続く、でも私の部屋にもエアコンはあるので快適に宿題をすませる事が出来る。
 私は自分の部屋で宿題を片付けていた。
「ふぅ…… 何とか終わるか」
 一応毎日少しづつ片付けてたから明日中には全て片付く……
「ううぅ〜んっ!」
 一息ついて椅子の背もたれに寄りかかり大きく腕を伸ばした。
 ふと頭の中に仲間達の顔が浮かんだ。
「皆何やってるかな?」
 私は現在電源を落としているパソコンを見る。
 ここしばらくゲームはやって無い、それに今は昼間だし皆忙しいはずだ。
 ましてエミルやショコラさん達は地獄の一丁目、必死で宿題と戦っているのが良く分かる。
 私はそれを知りつつパソコンを起動させた。
「やっぱいないか……」
 私はため息を零した。
 ここ数日メール・ボックスには皆からのメールは届いていなかった。
 サリアさんにもとりあえず『私も色々忙しいからあまりメールを見てられない』と言う理由を付けて控えて貰う様になった。
 このまま付けていても仕方ないので電源を落とそうとした時だった。
「あれ?」
 画面に数人のメールが届いた。
 それは私と特別クエストに参加した人達だった。
『コロナ〜、宿題前線終わんないよ〜、ずっとゲームしてたいよ〜、へるぷ・み〜』
『今何してる? 別に用は無いんだけど暇だからメールしたわ』
『古人曰く『貧乏暇なし』、今バイトが忙しいけど、終わったら一緒に遊ぼうね』
『ちょっと送れましたがsummer・greetings・to youでありんす、夏バテしてないでがんばってでありんす!』
「みんな律儀だな」
 私は微笑した。
 するとまたメールが届いた。
 今度はショコラさん達からだった。
『クックック! 灼熱の太陽に照らされし者達よ、もう直我が試練も終わる、さすればまた闇の旅路が始まる』
『こんにちは、今姉さんの見張りしてるんですけど、休憩になったんでメールを送りました』
『コロナさんへ、今宿題かたずけてるんですけど大変です〜、また皆さんと冒険したいです〜、でも新学期が始まったら冒険する機会が少なくなります〜』
『コロナ姉さま! やっぱり1日1通なんて耐えられませんわ〜、せめて1日20通…… いえ、10通にしてくださいまし〜(泣)』
「皆ったら……」
 私は苦笑した。
 オンライン・キングダムを初めてから数ヶ月、私にこんなに沢山の友達ができた。
 プレイ以外の時でもこうして繋がっていられるのはとても嬉しかった。
 これでお姉ちゃんから来ればパーフェクトなんだけど、お姉ちゃんの場合はメールするより直接言った方が早い。
 まして今朝お姉ちゃんが部活に行く時、お姉ちゃんも『また皆で冒険したいね』と言っていた。
『新学期になったら、また一緒に冒険しようね』
 私は皆のそうメールを返信した。
「さて、残りを終わらせるか」
 休憩は終わり、私は再びシャーペンを手に取った。

 
作品名:ねとげ~たいむ 作家名:kazuyuki