ねとげ~たいむ
私達はハウザーが出て来た扉の奥へと進んで行った。
何も無い通路を歩いて行くとついにその最深部へとやって来た。
そこはハウザー達と戦った場所よりもさらに大きなドーム状の部屋で、中央にはルーン文字の様な物が書かれた祭壇のような物があり、1人の初老の男が立っていた。
頭の天辺が禿げ、真っ赤な生地に袖口や襟元に金の刺繍が施された豪華な服、指には色とりどりの宝石の指輪をはめた私達と同じくらいの背丈の初老の男こそ、この反乱を起こした大臣ニコラスった。
『ぬっ? お前達は?』
ニコラスは私達に振り向いた。
『あいつらはしくじったか、全く使えない…… だが遅かったな、もうすぐこの大陸は私の物だ!』
ニコラスは笑い声を上げながら石碑に右手を当てた途端、石碑が赤く輝くと大臣と供に消えてしまった。
「なっ、逃げた?」
「そんな訳…… きゃっ?」
突然洞窟内が強く揺れ出した。
すると地面の床が砕かれて巨大な鋼鉄の巨人が現れた。
目の前に現れたそいつこそが破壊するべき最終兵器であり今回のクエストのボスだった。
『メタル・ゴーレム』