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引きとめられた夜(改題)

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「そうなんです。可愛い奴らです」
 駅付近のやや渋滞気味の坂道から、右折して幹線道路に入った。私は先日の凶悪な乗客を思い出しながら云った。
「そろそろタクシーをやめて、どこか田舎に引っ越したいと思っています。そこで毎日釣りをしたり、スケッチをしたりしようかな、なんて、思っています」
 そんなことを口走ってしまったのは、後部座席に居る女性が、あの暴力男とは正反対の好人物だと確信したからだった。
「絵が好きなんですか?いいご趣味をお持ちですね。ほかにも何かされるんですか?」
「小説を書いたりしていますよ」
「わたしはね、美術と国語だけ、好きでしたよ」
「そうですか。私も国語と美術だけ、成績が良かったんです」
「あなたの小説、読んでみたいわ」
「ありがとうございます……実は、ネットで読んで頂けるんです」
「えっ!本当ですか?」
「はい。つまらないものばかり書いてますから、特に最近は読んでくれる人が少ないので、読んで頂けるとありがたいです」
 本当に最近は読んでくれる人が激減していた。飽きられてしまったのだと思っている。どれも変わり映えのしない、地味な物語ばかりだから仕方がない。
「サイトの名前は?」
 私はサイト名とハンドルネームを云った。