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　閉塞感への屈服。やっぱりこの男は、幹部を名乗るには器が小さすぎる。グレゴリオの絶頂期が短かったように。最高の状態に曝されると、その眼はすぐに曇りを帯びる。
　彼もアメリカの大地に思いをはせているのだろうか。グレゴリオは持ってもいないコインを指で宙に飛ばした。クラブのネオン。たけの短いスカートの女達。ロッキング・チェア。
　最後の情景にほろ苦い甘さを感じ、グレゴリオはその場を後にした。