小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
セールス・マン
セールス・マン
novelistID. 165
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

プリンス・プレタポルテ

INDEX|24ページ/82ページ|

次のページ前のページ
 

 金糸の如く細いビーの髪と、背中を擦る固い黒髪。
「いなかったのよ。私の会いたい彼はいなかった」
 足元を見ると、黒々とした長い髪が一本、黒い穴に吸い込まれていった。
「そんな中、あなたがいたの。一番綺麗だったから」
 私はシャワーを止め、天を仰いだ。身体に添って何かが落ちていく。ああ、ロレンス、君は気付かなかったのか。
「光栄だね」
 今、私から失われたものが世界を汚していく。

「いつ出発?」
 堅いタオルを差出し、女は静かに首をかしげた。
「そうだな。汗をかかないうちに、と行きたい所だが」
 数時間後、夜が明ける前、トラックは走り出すだろう。