津波シェルターについて
とにかく一度経験してみればいい。ヨットにでも乗って大海原に出て行き、水の有り難さ自然の大きさ、携帯端末の無意味さ、自分の小ささを。もっと身近なら北西風が吹きすさぶ中由良半島の先へ行ってみれば少しは分かる。暗闇水中で外界の状況が分からないのを味わうのなら一度ナイトダイブをしてみればいい。タンクの残圧が少なくなってきてどれくらい不安になるか、避難したシェルターのハッチがはたして開けられるかを。
殆どの場合「助けます」というのは政治家か組合か学者で、一番に逃げるのはなにも墜落した熱気球のパイロットや転覆した豪華客船の船長だけでなくもその責任者であることが多い。レスキュー隊員であっても「助けたいとは思う、でもそこへ行けないのです」とはっきり言ってくれている、その通りだと私は思う。国は嘘を報道し国民を欺くのは今の通りなのだ。
自分が体験もせず口と頭だけで計画を練り、「助けます」という人間を私は絶対信用しない。くれぐれも誰かが助けてくれるなどと考えないこと。自分の身は自分が守る。これは鉄則であり、他の人と同じ方向へは地獄への行き先かもしれないと絶えず考えておくことである。
作品名:津波シェルターについて 作家名:のすひろ