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朝木いろは
朝木いろは
novelistID. 42435
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十七歳の碧い夏、その扉をひらく時 <第一章>

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 俺は釈然としないまま、自室に戻ってパソコンのスイッチを入れた。必要な時以外、インターネットに接続するという行為を避けてきたが、今は母さんのことが気にかかって仕方ない。検索窓にMINと入力してみると、会員登録の画面が出てきた。母さんの相手を調べるには自分も会員にならなくてはいけないようだ。
 母さんのページから、相手の男のプロフィールページに移動した。高校生と中学生の子どもがいるらしい。ネットに個人情報をぶちまけて中年同士で婚活をしていたなんて。二人の行動に半ば呆れながらも、男の素性がわかって少しホッとした。
 MINにはグループというものもあるらしい。母さんのページには、「簡単料理の会」や「洋画大好きな人集まれ」と書かれたいくつかのグループ名が載っている。相手の男のページにも「洋画大好きな人集まれ」というグループが載っている。もしかすると、このグループを通じて二人は知り合ったのかもしれない。サイトをぐるぐる回っているうちに「スイーツ大好き男子の会」という文字が目に飛び込んできた。男子限定でお菓子好きが集まるグループらしい。発足は約一ヵ月前。会員数はゼロ。MINで母さんとその男を見張るには自分も多少はアクティブな会員になっておく必要があるのではないか。ふとそんな考えが頭に浮かび、俺は「入会する」と書かれたボタンを押した。