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朝木いろは
朝木いろは
novelistID. 42435
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十七歳の碧い夏、その扉をひらく時 <第一章>

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「珍しいわね。携帯をいじってるなんて」
 母親の朱莉(あかり)がキッチンで料理をしながら、俺の方をチラチラ見て声をかけてきた。
「こうやって見てると、悠ちゃんも今どきの高校生よね」
 母さんの声は嬉しそうだった。俺が普通の高校生の仲間入りしたことに安心でもしたのだろう。
「今日はハンバーグにしたの。おいしそうでしょ」
 母さんはダイニングテーブルに平皿を置いた。テーブルの上には、防水加工がされたオレンジ色のランチョンマットが二枚敷いてあり、それぞれのマットの上にハンバーグの乗ったお皿と茶碗、そして味噌汁の入ったお椀が置かれていた。テーブルの真ん中には、ガラスのボウルに入った生野菜のサラダも置いてある。俺は母さんと向かい合って座り、無言で箸を取った。
「和風おろしハンバーグにしてみたの。大根おろしとポン酢って合うのよ。大葉を乗せると彩りもいいでしょ。どう? おいしい?」
「おいしいよ」
 俺は口いっぱいにハンバーグを頬張りながら笑った。
「学校はどうなの? 楽しい?」
「うん、まあ」
「悩みがあったらいつでも言うのよ」
「心配してんの?」
「忙しくてなかなか家にいられないことが多いでしょ。悪い母親よね」
「そんなことないって」
「悠ちゃん、あかねちゃんとか洋人くん以外に仲の良い子はいないの?」
「いないよ」
「彼女ができたらお母さんにも紹介してちょうだいね」
「はいはい」
「今週の土曜、空けておいてくれる?」
「なんで? どっか行きたいの?」
「悠ちゃんに紹介したい人がいるの」
「もしかして彼氏?」
「違うわよ。でも、うちで一緒に夕食をしようってことになったの」
「ふぅん」
「あ、でもね、悠ちゃんが嫌ならいいのよ。その方とはただのお友達だから」
 母さんは申し訳なさそうな顔を浮かべ、箸を置いて俯いた。
「どうやって知り合ったの」
「MINっていうSNSで」