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カワサキ萌
カワサキ萌
novelistID. 43774
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アイスエンジェル

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 ――バシャ。雪が落ちる音で目を覚ました。

 いつの間にか眠っていた。僕は床下に倒れ、顔をあげると目の前に暖炉があった。暖かい炎がメラメラと燃えている。

 窓から日差しが差し込んでいた。その事実に気づいて、ゾッとした。

「華彩!」

 僕が後ろを振り向くと、全身裸になった華彩がいた。

「何やってるんだよ」
「燃やすものがなかったから、服を入れたの」
「そうじゃねえよ!!」

 僕は彼女を抱きしめた。すぐに身体を冷やそうとしたが、華彩の身体はまったく冷たくなかった。どこにでもいる、普通の女の子と同じ体温だった。

 肌はじっとりと汗で濡れ、頭からは白い蒸気が再び噴出していた。

「ごめん、すぐに冷やすから」
「ううん、もう大丈夫。もう大丈夫だから。本当にゴメンね。吉岡くん、サヨナラ」

 蒸気は止まらない。やがて彼女はぐったりと倒れこみ、そのまま蒸気となって消えてしまった。

 僕は床を強く叩いた。

作品名:アイスエンジェル 作家名:カワサキ萌