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七ケ島 鏡一
七ケ島 鏡一
novelistID. 44756
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グランボルカ戦記 2 御前試合

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「いいところまで行ったけど、まだまだだなアレクシス。殺さなきゃならない相手は問答無用で殺さないと。あとレオ。お前はもう少し力をつけろ。攻撃が軽くて退屈だ。」
 時間停止中にはじき飛ばされ尻餅をついて倒れていたレオにそう言い放つと、ランドールは剣をさやに収め、アレクシスから奪い取ったマントを身につけた。
「まあいいや、興ざめしたし、時間もかかりすぎた。馬鹿息子とアレクシスだけならともかく。ルチアやソフィアちゃんを傷つけるのはフェミニストの俺としては心苦しいしな。まあ、今日のところはこの位にしておいてやるよ。ああそれと、このマントは気に入ったから稽古代がてら貰っていくぜ。おい、エリザベス!俺は先に帰るぞ!お前も怪我しないうちに帰ってこいよ!」
 ランドールはそう言ってマントを翻すとその場から忽然と姿を消した。
「だ、そうだけど。あなたはどうするのエリザベス。別に怪我しても私が治してあげるわよ。ただし、拘束した上でだけど。」
「く・・・あの薄情者。」
「さあ、どうするの?私だけじゃなくて、アンドラーシュやヴィクトル。それにヘクトールを一人で相手する?こちらにも多少被害が出るでしょうけど、あなたの身柄と情報と引き換えなら、最悪それでもかまわないわよ。」
 カーラの言葉に、エリザベスは表情を歪めて舌打ちをした。
「・・・チッ。わかったよ。今日のところはここで引き下がってやろうじゃないさ。」
「それが賢明よ。・・・ねえリジー。」
 エリザベスの返答を聞いたカーラが、エリザベスに問いかける
「さっきはあんなことを言ったけど、本当に改心するつもりはないの?テオは私達に、自分が間違ったら止めて欲しいって言っていたじゃない。そのテオの願いを、あなたたちは裏切っているのよ。」
「・・・あたしらはあたしらなりにやっているんだよ。別に間違ったことをしているつもりはない。」
「そう・・・なら、次に会ったときは手加減しないから。」
「そりゃこっちのセリフだよ。」
 そう言ってエリザベスは笑い、カーラは笑わなかった。
「あなたたちが何を企んでいようとも、この世界は私が守ります」
「そうしな。あんたが世界を守って、あたしらがテオ様を守る。それですべて解決だ。」
 そう言ってもう一度笑うと、エリザベスは何度かジャンプを繰り返し、観客席を抜けて競技場の壁を越えてあっという間に姿を消した。