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@manami_hijikata

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【立川】






閃光に目が眩んだ。

「あ」










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「あ」

「どした?」

「忘れ物したかも」

「何をだ?」

「んーと………………………………気のせいかも」

「どっちだよ…………」

「気のせい…………かな」

「そうか。じゃ行くか」

「ん」


――――カナカナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ


「ね」

「どした?」

「呼んでみただけだったり」

「そうか」


――――カナカナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ


「ね」

「なんだ?」

「私、あなたのこと好きだったり」

「俺も好きだぞ?」


――――カナカナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ


「私ね」


――――カナカナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ


「どした?」

「ううん」

「そうか」

「私ね」


――――カナカナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ


「進学はしないんだって言ってみたり」

「俺はするぞ?」

「知ってる」

「そうか」

「うん」


――――カナカナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ


「で」

「うん?」

「立川が言いたかったことはそれなのか?」

「んー」


――――カナカナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ


「全部かな」

「そうか。全部か」

「ん」


――――カナカナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ




――――カナカナカナカナカナカナカナカナカナカナカナ


「なぁ」

「うん?」

「好きっていうのはさ」

「うん」

「どういう『好き』なわけ?」

「一人の異性として。かな」

「俺と付き合いたいとか?」

「付き合うのは、別になくていいかな」

「そうなのか?」

「うん」


――――カナカナカナカナカナカナカナカナカナ


「キスとか」

「したいのか?」

「セックスとか」

「……………………したいのか?」

「したいかな」

「そ、そうか」

「勝った」

「あ?」

「あなたを動揺させられた」

「俺は動揺したら負けだったのか」

「私が勝手にそう思ってただけだけどね」

「そうか」

「ね」

「なんだ?」

「キスしたいな」

「ここでか?」

「うん」



「するのは問題ないのね」

「言ったろ?」

「そういえばそうね」

「立川のそういう、頭のいいところは好きなんだ」

「数学の応用とかは苦手だけどね」

「記憶力だけいいわけだな」

「そ。喜佐くんとは違ってね」

「あー、お前ら、正反対だよな」

「そうね」



「同じなのは、どっちもあなたを好きなことかしら」

「そうだな」

「気付いてたの? それとも、もう告白されてたのかしら」

「見ればわかるだろ。あいつは立川と違ってわかりやすい」

「そうね」



「ね」

「なんだ?」

「キスしないの?」

「ここでか?」

「そう言ってるでしょ?」

「キスで終わるなら、別に構わないんだけどな」

「………………えっち」

「いや、お前な…………」

「セックスはまだいいわ」

「まだっつーと、いずれはしたいんだよな?」

「本当はすぐにでもしたいんだけど」

「付き合うつもりはないんだよな?」

「うん」

「でも、キスとかセックスはしたい。と」

「友達同士でキスしてもおかしくないでしょ?」

「おかしくないとしても、俺たち今までそんなことしなかったじゃねえか。それに、友達同士でセックスはおかしいだろ」

「そっか」



「じゃあ、私とセフレになって」

「おい」

「嫌なの?」

「なんでそうなる」

「セフレならキスとかセックスしてもおかしくないでしょ?」

「そうは言ってもな……」

「ねぇ」

「……なんだ?」

「あなたは私とキスとかセックスはしたくないの?」

「したいか、したくないかで言えば……」

「うん」

「したいんだが」

「じゃあいいじゃない」

「つってもな……」

「ねぇ………………何か問題でもあるの?」

「そうだな。…………問題っつーか、疑問?」

「言ってみてよ」

「どうして付き合うのはダメなんだ? 俺はお前と恋人同士になりたいと思ってるぞ?」

「それは……………………」

「それは?」

「………………………………」







「私はあなたと一緒にはいられないから」

「引っ越すのか?」

「うん」

「卒業したらか?」

「そ」

「半年後か」

「ん」



「親の都合とか?」

「そ」

「進学はしないって言ってたな」

「うん。軍隊に入るから」

「親に言われたのか?」

「ずっと前からの約束」

「そうなのか?」

「ん」





「一緒にいられないっつーのは、『そういうこと』なのか?」

「可能性はあるけどね」

「零じゃないだけだろ……」

「あなたがそうだから、付き合うことはできないのよ」

「そう……か」









「ねぇ」

「……んぁ?」

「しゃがんで」

「なん、んっ」

「ん」















「はぁ」

「おまっ」

「次で最後にするから!」

「……えなぁ………………」

「最初からわかってた。あなたが割り切れるはずがないわよね」

「……………………」

「だから、次が最後のキス」

「……………………」

「あなたからして。そして終わったら、私はあなたの頬を叩いて言うの。あなたとは付き合えないって」

「……………………」

「それでまた友達同士に戻りましょ」

「……………………それでいいのか?」

「あなたに背負わせたくないもの」

「そうか…………」

「うん」

「次が最後なんだよな」

「ん」

「全部、俺に任せてもらっていいんだよな」

「うん」

「そんじゃ、俺の部屋に行こう」

「……………………え?」

「ほら、行くぞ」

「え……ちょ、ちょっと待って……」

「なんだよ?」

「ここでするんじゃないの?」

「外でしたいのか?」

「そ、外で……って?」

「俺はキスで終わらすつもりはないぞ?」

「そ……それって……」

「立川が外がいいって言うなら、別に構わないが」

「嫌よ!」

「じゃ、俺の部屋に行こう」

「ま、待って」

「なんだ?」

「えっと……………………するの?」

「全部俺に任せてもいいって言ったじゃないか」

「言ったけど…………それは」

「問題あるか?」

「…………………………」

「ないよな?」

「……………………うん」

「日ぃ暮れてるんだ。さっさと行くぞ」

「…………ん」










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次の瞬間、私の意識は途切れた。





作品名:@manami_hijikata 作家名:ぶちょー