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七ケ島 鏡一
七ケ島 鏡一
novelistID. 44756
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グランボルカ戦記 1 紅と蒼の姫

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 レオからハンカチを受け取ったソフィアが右肘を見ると、確かに肘がすり切れて少し血が滲んでいた。
「あ、そのくらいなら私が。」
 そう言ってキャシーは腰につけたポシェットから消毒液とガーゼ、包帯を取り出して手早くソフィアの手当を行った。
「わぁ、ありがとうキャシー。」
 ソフィアはそう言ってキャシーの手を握ってブンブンと上下に振った。
 その様子を見ていたアリスは思案顔でキャシーに話かけた。
「ふむ・・・キャシー、あなたやっぱり剣を握るのには向いていないから・・・。」
「く・・・クビですか・・?」
「いいえ。グレンと一緒に後方支援に回ってちょうだい。」
「何で俺まで後方支援なんですか・・・。」
「あなた、確か剣より弓の方が得意でしょ。たしか、魔法も視力強化系のものだったはずだし。」
「で、でも!」
 食い下がるグレンに、アリスは優しく微笑みかける。
「家族や好きな女性の為に大将首を上げて出世したいって言っていた貴方の気持ちはわかるけど、後方支援も立派な任務よ。大将を打ちとっても死なない集団というものも稀にあるの。アミサガンがそうかどうかはわからないけど、万が一そうだった時の為に、私達の帰り道を確保しておいてもらいたいの。大丈夫、手柄は皆のものということにしてもらうから。この作戦がうまく行けば騎士叙勲くらいならすぐよ。」
「・・・了解。」
「キャシー、貴女はグレンに弓を習いなさい。一週間くらいしかないけど、経験が全くない状態でやるよりはマシだろうから。後は、オリガと私、レオとソフィアがペアになって連携の練習よ。」
 アリスの言葉に全員が頷く。
「よろしい。では全員訓練開始!」