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CROSS 第20話 『Eris』

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 2機のエアリアルは、廃墟と化している防御陣地にあるエアパッドに向かって、夜空を飛んでいる。目的地である研究所付近には、破壊された対空兵器などが転がっていた。敵モビルスーツの残骸もいっしょに転がっており、守備隊が立派に戦ったことがわかる。

 すると、守備隊との攻防戦で生き残った3体の敵モビルスーツが、2機のエアリアルを撃墜しようとしてきた。ガリアたちのエアリアルのすぐ横を敵弾が飛んでいく。
「私がなんとかするから、早く外に出して!」
フランがそう言い出したので、ガリアはコンピューターにハッチを開けさせた。後部ハッチが開いた途端、フランは外に素早く飛び出し、綺麗な変わった羽を使って飛行を始めた。彼女の鋭い視線の先には、3体の敵モビルスーツがいる。3体とも、フランの登場に驚いている様子であった。

   ドカーーーン!!!   ドカーーーン!!!   ドカーーーン!!!

 彼女は、あっという間に3体のモビルスーツを破壊してしまった……。それを見たガリアたちは、感心と恐怖心とが混じった複雑な表情をしていた……。


 2機のエアリアルは、元防御陣地のエアパッドに着陸する。そして、ガリアたちを降ろすと、艦に残っている隊員たちを迎えに行くために離陸していった。フランは地上に降り、ガリアとウィルの後ろにつき、優雅についていく。
 ガリアたちは、すぐに研究所へ向かう。この元防御陣地から研究所まではそう遠くない。ただ、夜闇や道に転がっているガレキのせいで、慎重に進まざるをえなかった。

 道中、敵のザフト兵と何度か小規模な銃撃戦となるが、敵兵の数が少ないことから、守備隊が必死に戦ってくれたということを、再認識することができた。当分、増援が来るとは思えないので、少しは安心できる。
 しかし、研究所までもうすぐという所に、敵がいるトーチカがあった。トーチカからの機関銃の弾が弾幕となり、ガリアたちの行く手を阻む。
「私に任せて♪」
フランは楽しそうな口調でそう言い、次の瞬間には、トーチカがいきなりこっぱみじんにブッ飛んだ……。砂粒と化したコンクリートの欠片が、その場に舞い上がっている。
 トーチカの中にいた敵兵たちは、何が起きたかわからずに、トーチカがあった場所で突っ立っており、ガリアたちにすぐに射殺された。

   キィ−−−−−ン!!!

 そのとき、ジェット音がした。研究所の近くにある滑走路から、ザフトの輸送機が離陸しようとしていたのだ。ガリアたちから逃げるために急いでいるらしく、滑走路上に転がっていたジープの残骸を、機体で乱暴に押しのけているぐらいだ。
「逃がすか!」
ガリアはそう言うと、発砲しながら輸送機に向かって走り出した。しかし、輸送機の周囲には、離陸を護衛するザフト兵たちがおり、ガリアは物陰に隠れて攻撃をしのぐしかなかった。
 輸送機のスピードは上がっていき、このままでは離陸してしまう。撃墜するため、この世界の外で待機しているCROSS艦に連絡しようと、ガリアは胸のバッジ型無線機に手を触れようとした。