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CROSS 第20話 『Eris』

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   プルルルルッ!! プルルルルッ!!

 突然、ブリッジの通信呼出音が鳴り始めた……。いきなりの着信音に驚きつつも、ガリアはとりあえず、通信回線をオンにしてみた。
『……貴様ら、ここで何をしておる!?』
通信画面に現れた高慢そうな男は、開口一番に、ガリアとウィルに問い質してきた……。その男は、プラント上層部である評議会の人間だったのだが、
「コイツって、プラントのお偉いさんじゃないか?」
「確かに、新聞で見たことがある顔だな。ただ、名前は忘れてしまった」
初めて行く世界のことを学ぶ講習を適当に受けていたガリアとウィルは、その人物が誰であるかなど知らなかった……。
「この艦にいたお仲間さんたちは、幻想共和国の連中に殺されるか捕まったぞ。オレたちは、そのお仲間さんたちにはもう必要が無い物を探しているんだよ。ところで、このピストルは、いくらぐらいで売れるんだ?」
ガリアは、ザフトのピストルを見せびらかしながら、少なくとも敬意など一欠片も無い口調で言い捨てた……。
『……この報いは必ず受けさせてやるぞ!!! このナチュラルめ!!!』
お偉いさんはそう怒鳴ると、通信を一方的に打ち切った。
「やれやれ、この戦争は複雑で嫌になるな」
「まったく。これ以上、やっかいごとには巻きこまれたくないものだな」
ガリアとウィルは、お楽しみの物色作業を再開した。データの取りこみは、もうすぐ終わりそうだ。

   プルルルルッ!! プルルルルッ!!

 すると、また通信呼出音が鳴り始めた……。ガリアとウィルは、ほぼ同時にツバを吐き捨てた。
「まだ捨て台詞があったんだぜ」
ガリアは苦笑いしながらそう言うと、通信をオンにしてやった。
『そこで何をしているのですか?』
今度の通信相手はプラントのお偉いさんではなく、紅緋の通信士であった……。メイド姿の妖精兵だが、胸の紅魔館バッジが不気味に輝いていた……。しかし、ガリアは躊躇することなく、
「記念品やお土産になりそうな物を探しているんだよ」
そう言ってのけた。しかし、通信相手の妖精兵は、ガリアの返事を聞くなり、
『その艦を倒したのは我々です!!! 勝手に踏み入らないでください!!!』
と、怒り出した……。
「かたいことを言うなよ!」
『駄目です!!! 許しません!!! しばらくそこを動かないでください!!!』
そこを動くなとまで言い出した……。そして、妖精兵は、そのまま一方的に通信を打ち切った。

 ガリアとウィルは、そこを動くなという妖精兵の言葉などどうでもいいという様子で、通信が終わると、CROSS艦に急いで帰ることにした。幸いなことに、データの取りこみは既に完了しており、帰り支度はすぐにできた。
 転送によりCROSS艦に帰ると、ガリアとウィルは、転送室で一息つく暇も無く、ブリッジに戻った。そして、代行していた操縦担当の隊員に、全速力でこの界域から離脱するよう命令した。操縦担当の隊員は、ガリアとウィルの必死な命令に押され、とにかく艦を発進させる。少し後退してから、進路を右に向けた。
 フロントウィンドウに、紅緋から1機のシャトルが発進し、ガリアとウィルがさっきまでいたザフト艦へと向かっていくのが見えた。それを見たガリアとウィルは、おもわず顔を見合わして笑った……。