フレイスト 第一話
その時古峰は驚いた。鞠水が、あの隕石の一回りもふた回りもでかい石を投げていたのだった。
「ぐっ、」
ものすごい衝撃が古峰の波動を通じて伝わった。明らかに彼は押されている。でも、彼は笑っていた。
「どうしたぁ、おかしくなって笑いがとまんねえか。悪いがこれは俺にも止めらんねえんだよ。」
「いや、そうじゃないんだな。」
その時古峰の足元が光りだした。その少しあとに急に波動波が強くなった。今まで押されていたのが嘘のように、隕石落としを押し返し始めた。
「てめえ、どうやって、あれを押し返した。お前はあれが限界だったはずだ。」
「ああ、俺はな。」
古峰は笑いながらこういった。
「なあ、どんなものにも、波動はあるのは知ってるか。俺はそういう波動を吸収することができる。すべてのものは波動が少し違うから、普通は吸収は無理なんだよな。つまり、俺は今、地球の波動を使っているんだ。さすがにデカイから、ここら辺のしか無理だけどな。これが俺だけの能力波動吸収(フレイズインパクト)だ。学校一位なのに全国では、学校二位の理由だよ。俺には波動の攻撃が効かないから学校じゃ勝てる奴はいないんだ。」
そう言い終わると、さらに威力を高め、隕石落としごと消滅させた。
もう勝機のない鞠水に右手を構えたまま、こういった。
「まだ、俺とやるか。ああ、上に伝えとけ。この女の子は、わたくし古峰徹が預かりますので、あの子に用事があったら、俺を通してからにしてくださいと。たとえお前らがどんな方法で来ようと、俺の手で全て守ってやるとな。」
「全国6位、古峰徹。あなたと戦えて私は楽しかったですよ。」
「こんな勝負の何が楽しいんだか。」
「ふっ、星蘭祭であなたと戦えたら、次は潰しますよ。」
そう言って、鞠水は去っていった。
「そうだ、さっさと女の子を治療しないと。」
と、古峰は、女の子を抱えると学校まで走っていった。