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フレイスト 第一話

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一章 ~古峰徹~


                            7月2日 pm12:30

 午前の授業も終わり、お昼の時間になった。弁当派は教室、食堂派は食堂へと移動し始める。古峰は友達二人と食堂で食べている。ちなみに、わたくし古峰は弁当派だ。ほかの二人が食堂派なのでついてきたというわけだ。
「もうすぐ夏休みじゃん、俺と夏を一緒に過ごしたい女の子から告られたりして。」
 こんなことを言ってるのは、友達の宇宮宏太(うみやこうた)だ。髪はたれていて緑髪。一貫校というのもあって小学校からの知り合いなのだが、どうしてこんなやつと仲良くなったんだろうと、ため息をつくこともあるが、俺もなかなかの有名人なので気さくな性格で助かっている。
「いや、それはないだろ。」
「何ですか、その完全否定は。あーもういい!なあ隆、お前俺に彼女出来ると思うよな。」
「zzZ・・・」
 と、隣りで爆睡しているのが、柴崎隆(しばさきりゅう)である。特徴という特徴は特にないが、いつも寝ている変わりものである。同じクラスで席が近いのもあり、いつも話している。寝てる割には、学校の能力調査では12位で、全国調査では100位内の強者である。
「ねっ・・・寝てる。」
「お前の話は聞く価値ないとさ。」
「ムキー!なんだとー。」
 そんな三人?いや、二人の会話は、だんだん夏休み前にやる能力調査(期末テスト)の話に変わっていった。
「そういや、もうすぐ期末テストあるよな。」
「ああ、そういやそうだな。」
「忘れてたのか。あーいいよなぁ、天才さんわよ。どうせ一位だから興味すらないってか。」
そう宇宮が、羨ましそうにこっちを見る。
「いや、別にそういうわけじゃ。それに、全国じゃ6位だぜ。」
「でも、ふみは学校でトップだろ。それに全国6位って、何ですか、自慢ですか。」
「あーはいはい、すいません。」
 五本指の学校が五位以内に誰も入っていないかというと、そうではない。うちの学校では、高2の火蔵淳(かぐらじゅん)が全国調査4位なのである。しかしこれでは矛盾している。古峰は学校調査では1位なのだ。しかし、全国調査では、同じ学校の火蔵先輩より下なのである。
 それは、俺、古峰徹の少し変な能力のせいである。波動使いは、人それぞれ波動が違うので、出来る技が異なる。どのエネルギーでも上位なら専門の能力は、多数使えることが多い。俺は、波動使いの技は大体出来る。威力も学校上位クラスだが二番目である。彼が最初の時から持っている特殊能力が問題なのである。彼は、すべての波動を自分に吸収することができるのだ。すべての波動は違うので、普通は吸収することはできない。しかし、彼は体に触れただけで、勝手に波動を変換し、自分に取り込むことができるのだ。
 そういうことで、この奇妙な順位ができたのである。
「それに、赤点取ったら補修だろ。能力ってやっぱ才能だと思うし、意味ないと思うな。」
「・・・補修嫌なだけだろ。」
「そりゃそうだろ。誰だって嫌に決まってる。それに、この俺様が普通の点数取れると思うか。」
と、宇宮がふてくされてる時、予鈴のチャイムがなった。未だに寝ている隆を起こし、教室へと向かった。
作品名:フレイスト 第一話 作家名:山瀬了