「舞台裏の仲間たち」 72~73
アイラブ桐生Ⅲ・「舞台裏の仲間たち」(73)
第三幕・第二章「悲しみのデスペア」
荻原碌山の制作した《文覚》《デスペア》《女》は、
恋の三部作と言われています。
心でしか結ばれない相馬黒光(こっこう)への、恋幕の苦悩のなかで
《デスペア》は誕生しました。
デスペア(絶望)という裸婦像は、
身体を折り曲げて突っ伏す様に岩を抱いています。
顔や身体の前面ではなく背面像という独特の作品です。
長い髪を岩に投げ出し、二つに折り曲げられた姿態には「絶望」という強い
感情が、やはり強い緊張を伴って流れだしています。
作品名:「舞台裏の仲間たち」 72~73 作家名:落合順平